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「烏森〔からすもり〕」という駅名だった新橋駅

日本に、はじめて鉄道が開業したのは1872(明治5)年のこと。以来、ここ新橋の地は「本邦鉄道起源地」として鉄道唱歌に唄われ、一躍有名になった。しかし、その当時の新橋駅は現在の新橋駅の場所にあらず、新交通“ゆりかもめ”の汐留駅周辺にそびえ建つ高層ビル群のあたりにあった。もちろん、その時代に東京駅は存在しておらず、東海道線を西下する列車は新橋駅が始発駅だった。

1914(大正3)年に“中央停車場”として計画された東京駅が開業すると、鉄道創成期からあった初代新橋駅は貨物駅へと生まれ変わり「汐留駅」へと改称した。では、新橋駅はどこへいった?となるわけだが、現在の新橋駅の前身はというと、1909(明治42)年に山手線が品川駅から延伸すると同時にできた「烏森〔からすもり〕駅」が発祥で、その後に路線を東京駅まで延伸したことによって、その“本線上”にある駅として旅客の利便性を考慮した結果、「“二代目”新橋駅」を名乗ることになった。これがゆえに、かつての初代・新橋駅は駅名を譲ったというわけだ。

旧汐留駅にあった「本邦鉄道起源地」の記念碑。揮毫は第12代鉄道大臣、内田信也氏によるもの。現在この碑は行方知れずで、どこにも展示されていないと聞く=1978年3月21日、港区東新橋、撮影/藤井 曄
昭和55年に国鉄新橋駅・東海道線ホームから有楽町駅方向を写したもの。20系と呼ばれたブルートレインの姿もなつかしい=1980年、港区新橋、撮影/星 晃
46年の歳月を経て一つ前の写真と同じ位置で撮影したもの=2026年9月2日、港区新橋
新橋駅の東海道線上りホームの東京駅寄りで撮影した「急行なにわ」号(153系電車)。当時の駅周辺には高い建物は見当たらない=1962年8月5日、港区新橋、撮影/沢柳健一
一つ前の写真とほぼ同じ位置で撮影したもの。64年の歳月は何を語りかけているのか=2026年9月2日、港区新橋
かぼちゃ電車と呼ばれた電車は東海道線の代名詞だが、この電車は横須賀線の東京駅行きで、この当時の横須賀線は地下ではなく地上を走っていた。この時代、右にあるべき東海道新幹線の姿はまだない。国鉄新橋駅東海道線ホームの有楽町駅寄りで=1963年1月21日、港区新橋、撮影/沢柳健一
一つ前の写真とほぼ同じ位置から撮影したもの。高層ビルが立ち並び、63年という歳月を感じる。東海道線ホームの新橋駅寄りで=2026年9月2日、港区新橋
昭和29年に新橋駅の山手・京浜東北線(東京・上野方面)ホームから浜松町駅寄りを撮影したもの。当時の品川駅~田端駅間の山手線と京浜東北線は1956(昭和31)年まで同じ線路を走っており、写真をよく見ると現在の山手線(内回り)の線路が敷かれていないことがわかる。その奥を走るのは東海道線をゆく準急伊豆号=1954年9月23日、港区新橋、撮影/沢柳健一
一つ前の写真とほぼ同じ位置で撮影したもの=2026年9月2日、港区新橋
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旧駅舎と都電が走っていたころ
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工藤直通
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