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昭和世代に問う、モーニングのメニューといえば?

会社勤めの人には申し訳ないが、朝早く起きるのが苦手である。

そんなぐうたらライターが鼻唄交じりにシャワーを浴びて、朝も早よからスキップで出かけてしまうのは、ひとえに朝にしか食べられないメニューに釣られてしまうから。〈モーニング〉って魅力的なんですよ~。

そんなモーニングで昭和世代がトーストの次に思い浮かべるものといったらなんでしょう?

正解は「ホットドッグ」。しかもロールパンのヤツね。そのお手本と言いたいのが創業28年の人形町『プルミエ』だ。

新鮮な野菜とウインナーが挟まれた愛らしい姿に胸キュンです。パンはバターを挟んで焼くのでバターしみしみ。野菜はパリッと新鮮で、ドレッシングやマヨネーズも自家製というこだわり。

「他の店と同じじゃ面白くないからね」と控えめに語る店主は地元人形町出身。祖父と父は板金職人だったそうで、その職人魂は喫茶店になっても健在なり。

『プルミエ』@人形町

愛さずにはいられない 清楚な姿にぞっこん

ホットドック サラダセット (モーニングサービス、550円)

パンはご近所にある大正時代創業の『サンドイッチパーラーまつむら』から。

コーヒー、紅茶を選択可。紅茶がティーサーバーで提供されるのもうれしい。モーニングは3種類あり、11時まで。

ハムトースト・サラダセット(モーニングサービス、550円)

厚切りトーストでハムと野菜をサンドしている。こちらも捨てがたい美味しさ。

壁にはヒロヤマガタのシルクスクリーンが

[住所]東京都中央区日本橋人形町2-8-10
[電話]03-5640-1588
[営業時間]7時~20時、土~12時
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A3出口から徒歩3分

佇まいもいい

朝からワイン !? ありです、あり!

ところで何を隠そうワタクシ、コーヒーがちょびっと苦手である。このようなコーヒー大ブレイク時代に非常に肩身は狭いが、そんな訳でモーニングにコーヒー以外の選択肢が欲しい。

その代わりといってはなんだけど、朝から呑んじゃうもんねってのは大いにあり。例えば渋谷の『ビストロ ロジウラ』のフレンチトーストなら、ワイン1本は軽い。

これ、フレンチトーストのために焼いた自家製パンがただ物ではないのよ。ナイフを入れると中はホクッとしているのに、皮はキャラメリゼしてあってカリリッと香ばしい。

付け合わせも秀逸で、自家製ベーコンとフレッシュチーズ、それもストラッチャテッラ(ほぐしたモッツァレラのようなチーズ)なんて理想的なつまみ過ぎる。もう欲望に身を任せてワインをバンバン開けて、今日が終わっちゃってもいいかなぁとか……。ダメな大人へ一直線だ。

『ビストロ ロジウラ』@渋谷

ナイフを入れるとフカフカとろり ここだけの魅惑の食感

フレンチトースト 自家製ベーコンとブッラータチーズ (ブレックファスト&ブランチ、1404円)

モーニング・ブランチメニューは自家製グラノーラやサラダ、スープ、カレーなど多彩で13時LO。ドリンクは別オーダーでコーヒーやジュースなど。

あんバターリコッタチーズサンド(ブレックファスト&ブランチ、583円)

リコッタチーズのやさしい酸味がバターとあんこによく合う。

温もりある雰囲気も心地いい

[住所]東京都渋谷区宇田川町11-2 1階
[電話]03-6416-3083
[営業時間]8時~14時(13時LO)、18時~24時(23時LO)
[休日]月、第2・4日
[交通]JR山手線ほか渋谷駅ハチ公口から徒歩8分

おしゃれな外観

料理も絶品! 正統派モーニング

打って変わって、正統派モーニングの気分なら千駄木の『カフェ さおとめ』に行きたい。

ここはクラシックを聴きながら優雅に1日がスタートできる名店。パンは名門ホテルにも卸す『サンワローラン』で、ひと口サイズにカットされたトーストを口に運べば、ほのぼのと幸福感が浮上して顔がゆるみっぱなし。

パン屋からスタートして洋菓子店、コーヒー専門店へと進化した店だけに、料理もレストラン並みに手をかけている。とくに自家製スープが旨い

思わず追加オーダーして、モーニングなのになぜかやらかさずにはいられない衝動に駆られる。困ったものだ。

『カフェ さおとめ』@千駄木

大人の密かなお楽しみは 朝から味わう甘~いトースト

シナモントースト(モーニングメニュー、650円)

バターがしみたトーストにシナモンシュガーたっぷり。茹で卵と自家製コーヒーゼリー付き。モーニングは11時半まで。

カットされてて食べやすい


スープセット(モーニングセット、900円)

季節野菜を使った本日のスープも絶品。この日は春人参のポタージュ。トーストを浸して食べたい。

落ち着きある空間

[住所]東京都文京区本駒込4-40-6 メゾン・ド・ヴィレ本駒込1階
[電話]03-3821-0808
[営業時間]8時~20時半
[休日]無休
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩12分

ふらりと入りたくなる店構え

クラシカルな贅沢モーニング

驚くべきモーニングセットといえば麹町のコーヒー専門店『ノニーノ』に勝るものなし。

その名も「ノニーノの朝食セット」はスクランブルエッグにサラダ、ヨーグルトなどなどまるでホテルの朝食レベルだ。これにこだわりのネルドリップコーヒーが付いて830円とは破格。

さらにラプサン・スーチョンなんてマニアックなお茶もセットで選べるあたり、紅茶党の心もわしづかみだ。丸木が並んだ壁や高い天井も和みの空間で、朝は比較的空いているから、いつもよりちょっと贅沢な朝をまったり満喫できる。

『ノニーノ』@麹町

いつもよりちょっとだけ。その小さな贅沢がうれしい

朝食セット(830円)

ふかふかトーストにハム、ウインナー、バターが香るスクランブルエッグ、クリームチーズ、オレンジジュースなど充実の内容。朝食は3種で11時まで。

卵やハム、チーズなどトーストに色々のせて楽しめる


しっとりとした空間

[住所]東京都千代田区麹町3-5-5 サンデンビル地下1階
[電話]03-6380-8776
[営業時間]8時~21時、土・祝11時~17時
[休日]日
[交通]地下鉄有楽町線麹町駅1番出口から徒歩1分

お店は地下にある

トースト界のボブ・ディラン!?

ところで、シナモントーストをトースト界のモーツァルトとすれば『チリパーラー9』のチリビーンズトーストはボブ・ディランだと思う。

パンは隣の人気べーカリー『ファクトリー』の亜麻ブラウンブレッドの厚切りで、こんがりトーストしてやさしい味のチリビーンズととろけるチェダーチーズをオン。それはまるでフォークロックのようにしみじみ心に染み入る旨さだ。

でもホントは辛いハバネロソースをガバッといって「ひーっ」ってなるのが個人的にはいいんだけど。自由にトッピングできるコールスローやピカリリ(マスタード入りのピクルス)を“全部乗せ”でいろいろ楽しむのもあり。

飲み物はハンドドリップのコーヒーだけど、低温殺菌の牛乳を別オーダーして混ぜ混ぜすると、苦手なコーヒーも美味しくなるから不思議だ。

『チリパーラー9』@市ヶ谷

見た目はガッツリでも 食べれば癒される味

ブレックファスト(チリビーンズとチェダーチーズ、亜麻ブラウンブレッドのトースト 朝食セット、750円)

うずら豆がゴロゴロ入ったチリビーンズにはたっぷりの野菜が溶け込んでいる。半熟卵、フレッシュジュース付き。朝食セットは11時まで。

完熟アボカドと亜麻ブラウンブレッド(朝食セット、750円)

クリーミーなアボカドディップにはキャラメルナッツが。

ほっこりとできる

[住所]東京都千代田区九段南3-7-12 九段玉川ビル1階
[電話]03-3234-2309
[営業時間]8時~20時、土・祝8時~18時
[休日]日
[交通]都営新宿線ほか市ヶ谷駅A3出口から徒歩7分

9の文字が目を引く

美味しい朝食はいい1日をスタートさせる儀式みたいなもの(ただし呑み過ぎなければ!)。たまに早起きして出かけてみると、思いのほかいい時間が過ごせます。

撮影/西崎進也、鵜澤昭彦(ロジウラ)、貝塚隆(ノニーノ) 取材/岡本ジュン
※店のデータは、2019年6月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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