立春の頃に出回るふきのとう。ほろ苦い春の恵み
今年の暦では、2月4日が「立春」です。けれど、昨年(2021年)は2月3日が立春でした。同様に立春の前日と決まっている「節分」(大寒の最終日)も、年によって日が動くのです。これはどのような仕組みで決まるのでしょうか――。
これを決めているのは太陽の周りを回る地球の動きです。
立春は、1年を季節感に沿って24に分けた生活暦「二十四節気」の一つですが、正確には太陽の周りを楕円のように1周している地球の動き、「黄道(きどう)」に沿っています。
暦のうえで1年は365日ですが、実際は365日と6時間ほどかけて、地球は太陽の周りを回っています。この軌道上で地球から315度の位置に太陽がくるタイミングが立春です。そのため、必ずしも一定ではなく、1年に6時間ごと遅くなっているため、うるう年で調整をしても、ずれてしまう年が現れるということです。このように、二十四節気の各節気も年により、日にちが変わるのです。
ちなみに、日本の国立天文台には「暦計算室」というウエブがあり、二十四節気のタイミングを「日時分」単位で知ることができます。
いずれにしろ、立春が春の入り口であることに変わりはありません。八百屋さんの店先には、菜の花が並び、九州からは新じゃがも出荷される季節。この時期のオイラの楽しみは「ふきのとう」です。山菜の一つ・ふきの花芽で、漢字では「蕗の薹」と書きます。
66歳、血圧高めのジジイの実家では、立春の頃になると、庭にふきのとうが勝手に出てきました。土の表面にポコッと顔を出す、丸っこい緑のかたまりです。
自生していたものですが、花が開かないうちに摘み取り、刻んで味噌汁に入れたり、丸のまま天ぷらにしたりと、そのほろ苦い味わいで春を実感していたものです。