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夕景から夜へ、海と空の青を愉しむ

石垣の海に陽が沈む頃、そのバーは現れる。

晴れた夕方、1台のトラックが現れる。これがバー『deerest』
晴れた夕方、1台のトラックが現れる。これがバー『deerest』

カウンターには酒瓶がずらり、前に立つのは白いシャツに蝶ネクタイをきりっと締めた、オーナーのシカちゃん。バーカウンターは軽トラの荷台テーブルとイスは折りたたみ式だ。むちゃくちゃ気持ちのよいバーなのだ。席には、屋根も壁もない。目の前は海、頭の上は空、足元には……蚊取り線香。

メニューもチャージもなく、ほとんどがワンコイン、500円。カクテルは、リクエストに合わせて作ってくれる。1杯目。ここは沖縄、まずはオリオンでしょ!

ランタンの灯と共に、よく冷えたオリオンビールでスタート
ランタンの灯と共に、よく冷えたオリオンビールでスタート

シカちゃんはにこやかに、氷の中からオリオンビール中瓶を取り出す。南国らしく月桃の葉で編んだホルダーにすぽっと入れられ、オリオン登場。瓶のままぐいっ。ぷはーっ。氷で冷やされた瓶ビールって、冷蔵庫で冷やした瓶ビールより、絶対おいしい。理屈はわからない、けど、おいしいのだ。

前を通りかかった男の人が、こちらを珍しそうに眺めてる。席はほぼ埋まっていたが、テーブルとイスの予備は多めにあって、増殖OKらしい。

「どうぞどうぞ、席ありますよ」

シカちゃんではなく、常連客らしいマダムが声をかけて、その人は客となった。沖縄本島から仕事で来たという。「八重山の泡盛が吞みたい」と言って、ロックで、おいしそうに呑む。

気持ちのよい潮風に吹かれ、これぞ南国の一杯
気持ちのよい潮風に吹かれ、これぞ南国の一杯

「いやあ、こんなバーがあるんですね」とにっこり。

明るかった空は次第に暮れていき、ブルーがどんどん濃くなっていく。

日が沈み、バーは神秘的な青に包まれる
日が沈み、バーは神秘的な青に包まれる
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「空飛ぶバーテンダー」の新たな旅立ち...
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本郷明美
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