旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:みかん
難易度:★☆☆☆☆
健康成分が凝縮されています
お正月にこたつで食べる果物は? と聞かれて多くの人がイメージするのはみかんではないでしょうか? ということで、みかんは1月が旬と思う人が多いかもしれませんが、実は、1月から旬を迎えるのは晩生みかんという品種です。
みかんには、極早生(ごくわせ)、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)という品種があり、極早生9月下旬から10月下旬、早生は10月下旬から11月下旬、中生は11月下旬から12月下旬、晩生は1月から3月下旬と、旬の時期が少しずつ異なります。
こういったことから、こたつで食べるみかんは、中生や晩生が多いということになります。
農林水産省の発表によると、2022年における都道府県別の収穫量割合は、和歌山県が22%、愛媛県が16%、静岡県が15%、熊本県が11%、長崎県が6%で、この5県で全国生産量の7割を占めています。また、品種別の収穫量割合は、早生温州が約6割を占めています。
ちなみに、私たちが「みかん」と呼んでいるみかんの正式名称は「温州(うんしゅう)みかん」。温州という名前は、みかんの産地として知られる中国の温州にちなんで名づけられた名前といわれています。しかし、温州みかんの原産地は中国ではなく鹿児島県で、日本固有の果物なのです。
日本の三大みかんといわれるのは、愛媛(川上みかん)・和歌山(有田みかん)・静岡(三ヶ日みかん)で、いずれも温州みかんです。
温州みかんのほかにも紀州みかんという品種がありますが、こちらは中国から日本に伝わった品種です。紀州みかんは温州みかんよりも種が多く、小ぶりです。江戸時代には、種のない温州みかんは「種なし」ということで縁起が悪いということで種の多い紀州みかんのほうが人気でした。
ただし、すたれてしまったわけではなく、現在も鹿児島県や熊本県、和歌山県などで栽培されています。
みかんの皮は「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれ、消化不良による胃もたれや食欲不振の改善、咳・痰・のどの痛みの緩和など、さまざまな薬効をもつ漢方としても使用されています。つまり、みかんは捨てるところのない果物なのです。
また、七味唐辛子にも陳皮が含まれています。