日本の「国民食」の地位を確立したラーメン。麺やスープの個性を筆頭に、その魅力が語られることは多いが、今回はトッピングの雄で「チャーシュー」の魅力に、1ヵ月で78杯を食べつくした『おとなの週末』ラーメン調査隊が迫る。
浅草にあった、日本で初めてラーメン店
話は「そもそもチャーシューとはなんぞや?」というところからはじまる。
本来チャーシューとは、中国語で『叉焼』と書き、調味料と紅麹の酒粕を塗った肉塊を、大きな窯の中に吊るして焼いた料理だ。
そして日本に於いて、現在のラーメンに近いスタイルの料理を提供したのは、明治43年に開業の浅草『来々軒』であるというのが定説である。この店のラーメンには、叉焼が載せられていたようだ。
しかし、この店が人気を博すと、屋台のラーメン店も東京に登場。当然、叉焼を作る大きな窯などない。そこで、表面を焼いた肩ロースやロースを醤油味のタレで煮込む、いわゆる『焼豚』をのせるのが一般的となる。
ここで面白い現象がおきる。焼豚に「チャーシュー」と呼ぶ発音だけが残ったのだ。