都内にラーメン店は数知れず。その中から、醤油・塩・味噌・豚骨、それぞれのおいしい店を調査。新旧の三ツ星店を一挙にお届けします。五臓六腑にしみわたる一杯をどうぞご賞味あれ。
梅屋敷「ひなり竜王」
食いしん坊の夢を具現化した一杯だ。丼の中に旨いもん大渋滞。掻きわけ掻きわけ麺を持ち上げれば、風味豊かな平打ちが顔を出す。実はここ、北品川『中華そば和渦TOKYO』など人気店を手掛ける高橋宏幸さんの4軒目となる新店。
「僕の全部を詰め込んだ集大成です」。高橋劇場第4章の巻。舞台は京急線、梅屋敷である。目指す味わいはスープや麺、どれもが突出し過ぎないバランス型だ。それは計算された高い技術があるからこそ実現する一体感。
スープは信玄鶏や岩中豚、乾物類に炒めた野菜をどっさり入れたやさしく奥深い旨みで、3種の小麦粉を配合した自家製太麺はツルッモチッとなめらかな舌触り。「特製」は高橋さんが好きなトッピングを全部入れちゃったそうで、吊るし焼きの鶏などその全てが美味の相乗効果。言ってしまおう、これぞ定番醤油味の究極形。