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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第51回は、久々の味噌ラーメン。富山で出合った名店出身の店主によるクオリティの高さに永谷さん、大絶賛です。

『すみれ』直伝の至高の味噌ラーメンと炒飯の組み合わせ

早いもので、この連載も50回を超えた。よくもまぁ、チャーラーの食レポだけでここまで続いたものである。チャーラーという呼称こそ名古屋エリアのみだが、炒飯とラーメンのセットは全国どこにでもあるし、チャーラーは多くの人々の心と胃袋を掴んでいるからだろう。

さて、あらためてこれまで書いた記事を見て、ひとつ気がついたことがある。それは味噌ラーメンをほとんど紹介していなかったのだ

筆者があまり食べないというのが大きな理由である。これは偏見であることを承知で書くが、味噌ラーメンは大きくハズレることはないと思っているフシが筆者自身にあるのだ。悪くいえば、醤油や塩と違ってゴマカシがきく、みたいな。

それと、炒飯との相性を考えると、濃厚な味噌の味が勝ってしまうような気がして、どうしても醤油や塩に手が伸びてしまうのだ。そんな偏見に満ちた自分が恥ずかしい。毎日、一生懸命に味噌ラーメンを作っている人には申し訳なかった。これからは偏見を捨ててチャーラーに向き合っていこうと思う

『麺屋つくし 本店』外観。ここ本店のほか、富山駅「きときと市場とやマルシェ」内にも富山駅店がある
『麺屋つくし 本店』外観。ここ本店のほか、富山駅「きときと市場とやマルシェ」内にも富山駅店がある

先日、仕事で富山県へ行った。この日は3月だというのにメチャクチャ寒く、身体は味噌ラーメンを欲していた。ネットで調べると、富山市に味噌ラーメンの名店があることがわかった。

それが今回紹介する『麺屋つくし 本店』である。店主は北海道・札幌にある超有名店『すみれ』の出身。10年間の修業を経て、2005年にオープン。20年経った今も富山では不動の人気のようだ。

店に着いたのは18時半頃。寒空の下で席が空くのを待つことも覚悟したが、幸運なことに店内に客は誰もおらず、すんなりと入ることができた。その後、バタバタと途切れることなく客が訪れて、あっという間にほぼ満席となり、人気店であることを目の当たりにした。

店内には券売機があり、そこでメニューを選ぶ。ここはやはり「味噌」(980円)一択だろう。いや、待てよ? その横に「味噌 煮卵入り」(1130円)があるではないか。煮卵が合うのは醤油や塩よりもダントツで味噌だろう。全国屈指の味噌文化圏である愛知県在住の筆者が言うので間違いない。ってことで、「味噌 煮卵入り」に決定!

券売機の「ご飯もの サイドメニュー」をチェックすると、なんと「炒飯」(850円)があった! 『すみれ』直伝の至高の味噌ラーメンと炒飯の組み合わせに興味が湧き、思わずポチってしまった。合計1980円とチャーラーにしては高額になってしまったが、この調査は十分に価値あるものだと思う。

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スープと味噌、脂、麺、具材が見事に調和した一杯...
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永谷正樹
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