素材の旨み、スパイスの香りがまろやかに溶け合った欧風カレーは確かに美味しい。しかしここ数年増えてきているのは、インドやスリランカなどのペッパーやクローブ、クミンなどスパイスの香りや味わいが際立つカレー。都内で厳選した三ツ星カレーをご紹介!エリア:中目黒/下北沢/半蔵門/秋葉原/表参道/大久保/上石神井 ※ランチタイム有
画像ギャラリーFORRESTERの「ビーフカレー」【中目黒】
フルーツを入れることで、甘みや酸味をプラス。大量のスパイスからあふれる香りや、ほろ苦さもそこに加わり、辛さのなかにも奥行きと厚みを感じさせてくれる
店のコンセプトは“スパイス&ミュージック”。ヒップホップやR&Bの流れる店内でその味を愉しませてくれる。カレーはビーフ、バターチキン、野菜、キーマの4種類を用意。なかでもとりわけファンが多いのが『GHEE』の代名詞とも言えるビーフだ。牛スジから3~4時間かけてとる旨みが濃厚なダシと、14種類のスパイスで具材の牛肉を煮込んだカレーは、フルーティな甘みや酸味を感じた後にやってくる刺激的な辛さがクセになる。 ディナータイムには、腕利きのバーテンダーでもある小山さんが作るカクテルを片手に、ジャークチキンをはじめとしたスパイス料理を愉しむのもいい。
かつて裏原宿にあり、伝説とまで称されたカレー専門店の『GHEE(ギー)』。店主の小山さんは10年以上もそちらに通いつめ、そのレシピを受け継いだ。※ランチタイム有
カレーの惑星の「ドライキーマカレー」【下北沢】
付け合わせは日替わりで、この日は自家製ジンジャーシロップ漬けトマト、紫キャベツのピクルス、小松菜クミン和え ※小鉢は夏の薬味セット(250円)
キーマのゴツゴツとした食感、スパイスが持つ心地よさ、自家ローストしたナッツの風味がアクセントだ。オススメのトッピング「夏の薬味セット」は、水切りヨーグルトやパクチー、キュウリ、ミニトマト、レモンを好みで入れてしっかり混ぜていただきたい。爽やかな酸味とシャキッとした食感が加わり、食欲が増進すること間違いなし。この「ドライキーマカレー」のほかは時期などで変更になるが、「チキンとパクチーのカレー」は、夏期中も提供される予定。各国のビールや果実酒などアルコール類も取り揃え、夜はスパイスバルとしての一面も併せ持つ。
「カレーの惑星」は人気のビストロ『下北沢熟成室』の姉妹店として、カレーの激戦地・下北沢にオープン。代表メニューの「ドライキーマカレー」の合挽き肉はコクを出すためにしっかりと炒められ、ふんだんに使われたクローブなどのスパイスが利いた豊かな味わいに匙が進むはず。[交]小田急線・京王線下北沢駅北口から徒歩8分※ランチタイム有
欧風カレー ソレイユの「牛タンカレー温野菜添え」【半蔵門】
牛タンはとろけるような舌触りの柔らかなタン元と、濃厚なコクのタン先の両方をのせ、味わいの違いを愉しめる。リッチなバターライスや、カレーソースとの調和も見事で完成度の高い逸品だ
淡路島産の玉ネギを2日間煮込んだブイヨンに、仔牛の骨からとる“フォン・ド・ヴォー”と、鶏ガラをじっくり煮出した“フォン・ド・ヴォライユ”を合わせていく。ここにクミン、コリアンダー、ターメリックなど15種類のスパイスをバランスよく配合したルウと、ペースト状にした玉ネギを加えて、さらに煮込めば完成だ。バターを加えて炊き上げる香り高いライスと共に頬張れば、なめらかなソースから奥深いコクや旨み、そして豊かな甘みがあふれ出し、スパイスの香りがおだやかに立ち上ってくる。 下茹でしてからカレーソースの中で10時間かけてじっくり火を通した、とろけるような舌触りの牛タンをのせた、1日限定5食の「牛タンカレー」が特にオススメだ。
上品かつ洗練された本格欧風カレーが「欧風カレー ソレイユ 」の看板メニュー。ベースとなるカレーソースの味を決めるのは3種類のダシだ。[交]地下鉄半蔵門線半蔵門駅5番出口から徒歩3分 ※ランチタイム有
カレーノトリコの「あいがけカレー」【秋葉原】
ご飯の上に盛りつけられているのが「牛すじドライカレー」で、濃厚な旨みが特徴。こんにゃくを加えることで、食感に変化をつけている。別々に食べるのもいいが、「インド風カレー」と混ぜながらいただくのもオススメだ
たっぷりの香味野菜をスパイスと共に煮込んだ「インド風カレー」は、スープのようなサラリとした口当たり。そこにサラダ油でマスタードシードやカレーリーフ、鷹の爪、クミンをじっくりと炒めて香りを移した“スパイス油”を注文後に1人前ずつ合わせることで、鮮烈な香りが口に広がる。最後にたっぷりのカスリメティ(フェヌグリークの葉)をふりかけ、爽やかな香りと風味をプラス。 「牛すじドライカレー」は下茹でしてペースト状にした牛スジ肉に粗挽きの牛肉と豚肉を加え、旨みを全面に押し出した濃厚な仕上がり。「あいがけカレー」は味わいの異なる両者が皿の中で出会って引き立て合うことで、また新たな美味しさが生まれる逸品だ。
「カレーノトリコ」は2014年のオープンから、連日行列を作る人気店だ。ここでしか食べられないオリジナリティあふれるカレーは2種類を用意。[交]JR山手線ほか秋葉原駅電気街口から徒歩4分 ※ランチタイム
ハブモアカレー 野菜とスパイスとインド飯の「カレープレート 」【表参道】
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旬の野菜を堪能できるのがうれしい。「きみひめ」とはトウモロコシの品種でレンズ豆のカレー・ダルの中にたっぷり入る。付け合わせの追加は一品につき150円。辛味ソースは無料。「ベジプレート」も可能だ。スパイスは極力店でローストし、ブレンドされる
インドの定食・ミールスにヒントを受けており、まず単品で味わったらしっかり混ぜて楽しむのがおすすめ。スパイスと素材の相乗効果で、幾重にも広がる味わいが堪能できるはず。野菜は店主が信頼する農家から直送されるもので、その個性と旨みをスパイスで引き出す手腕からは、食材そのものへの愛情も感じられる。付け合わせは5種類ほどから選択するが、追加料金でプラスすることもできる。インドや東南アジアなどのローカルフードを食べているような楽しさがある上、ひと皿ひと皿すべて味付けや食感が異なるような工夫が凝らされている。黄色が鮮やかなターメリックライスの香りも魅惑的だ。
豊島区要町で約月2回昼のみ間借り営業し、スパイスマニアたちを唸らせていた「ハブモアカレー」が昨年10月、表参道に店を構えた。メニューは日替わりの「カレープレート」のみで、2種類のカレーと3種類の付け合わせから構成される。[交]地下鉄銀座線ほか表参道駅B2出口から徒歩2分 ※ランチタイム有
ナングロガルの「タカリスペシャルカーナ 」【大久保】
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カレーはチキンかラムから選べる。他にあっさりとした豆のスープカレー、ジャガイモとカリフラワーのドライカレー、葉野菜を発酵&乾燥させた“グンドゥルック”の漬け物や、トマトから作るソースなどがワンプレートに盛り込まれている
メニューに並ぶのは日本ではめずらしいローカル料理の数々。厨房にはネワール族とタカリ族、食文化の異なるふたつの民族のシェフが常駐。まずネワール族に代表される料理「サマエボウジセット」は、蒸してから潰して干したご飯「チウラ」を中心に、ラムやジャガイモのドライカレーが脇を固める。「タカリスペシャルカーナ」はタカリ族の定食で、バスマティライスを豆やマトンなどのカレー、青菜の炒め物や漬け物などと共に食す。カレーの他にも、写真の「モモ」や、ネワール風お好み焼き「チャタマリ」、干し肉の炒め物「スクティ」などなど、現地の味をそのまま再現したアラカルトも豊富に揃っている。
「ナングロガル」はオープンから約半年ながらも、本格的なネパール料理を愉しめると早くも評判を呼ぶ。来店する客の半分以上がネパール人ということも、その味の確かさを証明しているだろう。[交]JR総武線大久保駅北口から徒歩2分 ※ランチタイム有
ふんだりけの「ムルギーカリー 」【上石神井】
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ムルギーとは鶏肉のこと。煮込んでから余熱で火を通したモモ肉は、身が骨からすんなりとはずれる柔らかさ。この日は豆のカレーも添えられていた。カトゥーリー(カップ)に入っているのは、鶏肉を煮込んだソースとアチャール、ライタ。農家から届く米はハリとコシがあり、カレーによく合う(平日のランチは1080円)
それぞれの食材に適したスパイスを惜しみなく使用し、奥深くもエッジのたった香りや味を表現している。いちばん人気のカレーが写真の「ムルギーカリー」。骨付きの若鶏のモモ肉をまるごと煮込むことで、骨から出る旨みがカレーにさらなるコクをプラス。最後に加えるガラムマサラの香りが爽やかに鼻腔を包み込む。どのカレーにも自家製のライタ(ヨーグルトのサラダ)とアチャール(漬け物)を添えており、カレーをご飯にかけてから、これらをよく混ぜ合わせて食す、南インドそのままのスタイルを提案している。また、6月末には西荻窪に2号店をオープンしたばかり。
「ふんだりけ」は住宅街でひっそりと営むインド料理店。店主の西 無学さんは元僧侶という一風変わった経歴を持つ。約10年間、有名店で腕を磨いてから独立。確かな食材を使用し、手間ひまかけて作られるカレーは、あっさりとした南インドの味が中心だ。[交]西武新宿線上石神井駅北口から徒歩7分 ※ランチタイム有
スパイス際立つ三ツ星カレー!<後編>はこちら
刺激的な味わいがクセになる!辛いものもあれば、辛さよりも風味豊かなもの、日本人がアレンジした傑作も多い。スパイス際立つ三ツ星カレー!<後編>も引き続き、「これは旨い!」と太鼓判の東京都内の三ツ星カレーをご紹介しよう。エリア:湯島/自由が丘/中野/麻布十番/茅場町/新大塚/新宿 ※ランチタイム有
2016年8月号発売時点の情報です。
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