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“一番弟子”が手がける「二郎系」ラーメン「いごっそう」

今回、「二郎」と「二郎系」の違いを語る上では欠かせないある方のもとへ取材に行ってきました。ご協力いただいたお店は、2001年創業、都内の西武新宿線・東伏見駅から徒歩15分の青梅街道沿いにある「らーめん いごっそう」(一駅手前の武蔵関駅から2011年に移転)さんです。僕が大学院生として通う早稲田大学の東伏見キャンパスからも最寄りで、馴染みの場所でもあります。

らーめん いごっそう

こちらの酒井英勝店主が「ラーメン二郎」三田本店で修行をした後、自身のお店の看板にはあえて「二郎」の名前を掲げずに「いごっそう」としてラーメン屋を始めたことはよく知られています。しかし、その理由や経緯は明かされておらず、お店のホームページやSNSもないため、ジロリアンの中でも様々な噂や憶測が飛び交っています。歴史のあるお店で電話番号も非公開なので取材NGかと思っていましたが、直接店舗に伺ったところ、酒井店主は僕の活動のことも知ってくださっており、快く取材を受け入れていただきました。

(酒井店主)「いごっそうは高知の方言で『頑固者』『強情者』という意味らしいんだけど、別に僕は高知県の出身じゃないんだよね。お店を出した頃に読んでいた小説から取ってさ、二郎を超えてやるなんていう思いも少しあったりして」

山田総帥の右腕でありながら「二郎」を継がなかった

酒井店主は料理人としてフランス料理を学ぶために現地で経験を積み、日本に帰国してからラーメンを学んだという異色の経歴を持っています。

(酒井店主)「フランス料理は才能がないと思って諦めて、日本に帰ってきて何をやろう?と考えた時に、ラーメンが面白そうって思ったんだよね」

その後、酒井店主は「二郎」での修行を通して、ラーメンの世界でその才能を発揮することとなります。

「らーめん いごっそう」の酒井店主と

(酒井店主)「最初はお客として『二郎』に通ってたんだよね。当時はまだ『二郎』も5、6軒しかなかったかな?その後にアルバイトから始めて三田本店で3年かけて修行をして、独立前には親父(山田総帥)から『三田本店をお前にあげる。他でやったらお金もたくさんかかるから二郎としてやってみたらいいでしょ』っていうありがたい話もされたんだけどね。お店を継いだらお金の面でも苦労はしないけど、結局継がなかったんだよね

創業者である山田総帥から腕を認められたにもかかわらず、「二郎」を受け継がなかった理由は何だったのか。多くのジロリアンたちが抱えてきた疑問の答えを探るべく、「いごっそう」を開店するまでの経緯について教えていただきました。

(酒井店主)「初めは本店とは別の場所で『二郎』としてラーメン屋を開こうとしてたんだよね。王子に二郎(現在はラーメン富士丸)があって、初めは赤羽かその近辺でやろうとしたのね。二郎の親父も見に来て、『ここでいいんじゃないか?』って言われて。通り道に『二郎』があるから寄っていこうって話になって、赤羽の店主に『今度、酒井くんが新しくお店を出すからよろしく頼むよ』という話をしてくれたんだよね」

(酒井店主)「ところが、後日親父に呼ばれたら、『(赤羽の)店の売り上げが減ってしまう』って言うんだよね。昔は5kmとか6kmとか離れていればお店を出していいっていうルールがあって、そのルールはしっかり守っていたのに、『この場所は辞めよう』って言うんだよ。自分は納得いかなかったけれど。それなら自分は『二郎』でやらないって思ったんだよね。三田のお店を譲るって言われたけど、僕は断って、百歩譲って他の場所でやるならって思ったけど、最後には嫌だって言っちゃったんだよね。親父にはすごく良くしてもらったけど、あんなに有名な人の後を継ぐのもまた大変でしょ

「二郎」を継がないという決断をした背景には、皮肉にも酒井店主にラーメンの才能があったことが関係していました。同時に、すでに人気店となっていた「二郎」の味を求めるお客さんから、当然のように厳しい評価を受けるであろうことも分かっていたようです。

(酒井店主)「継ぐっていうのはとても難しいんだよね。全く同じ味のラーメンを出したとしても、親父は良かったのにと言われる事もあるでしょ。二代目は大したことないなって言われたら、そりゃあ癪に障るよね。だから違う材料でやろうって決めたのよ。でも、そしたら当たり前に『二郎』の看板は掲げられないでしょ」

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店舗で味が違う...
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おとなの週末Web編集部
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