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たたずまい、歴史感、風格…これは足立区を代表しているのか??

『足立屋』。どうですか、このたたずまい。この歴史感。この風格……。私はもう、一発で胸を射抜かれてしまいましたね。店名がまたたまらない。足立区を代表しているんでしょうか。それとも単なる、店主の苗字??

足立屋

とにかくまだ先があるので一応、通りを進んでみます。今度は魚屋さんと肉屋さん(卸専門)が並んでた。こんな短い通りに2つも肉屋さんがあってなおかつ、焼肉屋。本当にお肉の街なんだなぁ、とつくづく感じました。

その先には、小さいながらも神社が。まぁ商店会名からもそうだろうなぁ、とは予想がついてましたけど。この鳥居、「神明鳥居」というんですよ。単純で、なおかつ最も古い形。伊勢神宮の鳥居がこのタイプの代表です。

神明鳥居

並びにカラオケスナックらしい店があったけど、飲食店風の店はもう、ここまで。逆に畑までありましたよ。世田谷区にだって住宅街の中に畑があったりするけど、さすがに商店街沿い、というのは23区内では珍しいんじゃないのかなぁ。しかも結構、広い(笑)。

商店街沿いには畑が

結局、通りはこの先、車道にぶつかって、終わり。周囲を歩き回ってみたら他にもお蕎麦屋さんやラーメン屋さんはあったけど、私の心はもう決まってた。入るのはもうあの、『足立屋』しかない!

真ん中のナルトが泣かせる これぞ東京のラーメン

てなわけで道を戻って、入りました。店内も外から想像した通り、「町の中華屋さん」の典型的お姿。また種類も豊富で、目移りしてしまう。

肉野菜炒めをつまみにビール、なんてのもいいなぁ。誘惑に駆られそうになるが、ここは心を鬼にして振り切る。初回なんですものね。やっぱりまずは基本中の基本、ラーメンを味わってみるべきでしょう。

そうしたら出て来たのが、これです。おぉおぉ、これまたたまりませんなぁ。「東京ラーメン」を代表するたたずまい。真ん中のナルトが泣かせます。

ラーメン

ところがよくある普通の「あっさり鶏がらスープ」かと思ったら、さにあらず。よく見たら表面が油で覆われてますよね。そう。結構、強めに油のパワーがガツンと来るんですよ。いやいやこれは侮れません。柔らかめの麺とよく絡んで、これは食が進む進む。

あっ、という間にスープまで飲み干してしまいました。これで450円。いやぁ大正解!

大満足して店を出ると、すぐ近所で猫が2匹、お出迎え。これまた嬉しい展開ですなぁ。思えば商店街を歩いている最中、通行人はほとんど見掛けなかったですね。いたのは例の『スタミナ苑』前だけ(笑)

猫の愛らしい仕草に心が和みます

ちなみにもう少し、周囲をブラブラしてから帰ろうとしてふと見たら、14時45分で列は15人に増えてました。まだ開店まで1時間以上もある、ってのに、なぁ……。

「足立屋」の店舗情報

[住所] 東京都足立区鹿浜3-5-15
[電話]03-3899-5062
[営業時間]11:00〜15:00、17:00〜19:00
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間や定休日は異なる場合があります。
[休日]水曜              
[交通] 日暮里・舎人ライナー西新井大師西駅から徒歩約25分、都バス鹿浜三丁目バス停から徒歩約3分

西村健

にしむら・けん。1965年、福岡県福岡市生まれ。6歳から同県大牟田市で育つ。東京大学工学部卒。労働省(現・厚生労働省)に勤務後、フリーライターに。96年に『ビンゴ』で作家デビュー。2021年で作家生活25周年を迎えた。05年『劫火』、10年『残火』で日本冒険小説協会大賞。11年、地元の炭鉱の町・大牟田を舞台にした『地の底のヤマ』で日本冒険小説協会大賞を受賞し、12年には同作で吉川英治文学新人賞。14年には『ヤマの疾風』で大藪春彦賞に輝いた。他の著書に『光陰の刃』『バスを待つ男』『バスへ誘う男』『目撃』など。最新刊は、雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編『激震』(講談社)。

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