クッキングパパの読んで美味しいレシピの話

【超簡単】新生活のコーヒー入門! クッキングパパ直伝「格別の一杯」を淹れるコツと「モカ」の意外な由来

週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。 著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返…

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週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。

著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本欄では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。

長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第7回目は、「コーヒー」です。

コーヒー豆は鮮度が命! 最低限の器具で最大限のおいしさを引き出すには?

4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。明治以来140年以上続いた“オトナの定義”が変更になったわけです。しかし、飲酒は引き続き20歳未満は禁止されているので、注意が必要です。20歳未満の飲酒は別の法律で禁止されているほか、心身の健康が害され、アルコール依存症などのリスクが懸念されるためです。ビール酒造組合は、「新成人とお酒成人はちがう。」として、誤解が広がらないよう注意を呼びかけています。

ならば、自分でおいしいコーヒーをいれられるようになるのも、“オトナになった証”ではないでしょうか。疲れを癒すセルフマネジメントの効果や、大切な誰かのためにいれた一杯がその人を笑顔にしてくれるなど、コーヒーの効能は計り知れません。

クッキングパパ「COOK.74 入魂の1杯 おいしいコーヒーをいれよう!!」では、本格的なハンドドリップ式コーヒーの入れ方が丁寧に説明されており、入門書として最適です。

まずは、豆を買いに行きましょう。「コーヒーは刺身と同じ新鮮さが命!! よく売れている店で少しずつ買うのがベスト!!」とのアドバイスは、ぜひとも心がけるべきです。

せっかく新鮮な豆を入手できたなら、おいしさを最大限に引き出すべく、豆をひくコーヒーミルを用意しましょう。いつでもできたてのふくよかな香りを楽しむことができます。コーヒーをこすためのこし袋も必要です。お気に入りのカップもあれば、コーヒータイムがいっそう楽しくなりますね。

一方で、ハンドドリップをする際に使われている注ぎ口が細い専用のコーヒーポットもありますが、湯量を調整しながら注げば、ふだん使いなれているやかんでも問題ありません。

入念な下準備、様子を見ながら最後の一滴まで全集中

コーヒーは、やはり「いれたて」が格別。下準備しだいでは自宅で美味しい一杯がいれられる(PHOTO/TANA-Stock.Adobe.com)

さあ、いよいよおいしいコーヒーをいれましょう。

おっとその前に、入念な下準備をお忘れなく。豆のひき方、お湯の温度管理、こし袋やカップの扱い方等、これらをひとつひとつ丁寧にやってこそ、“オトナの作法”です。

おまたせしました、いざハンドドリップに挑戦です。「やさし~く やさし~く」を合言葉に全集中して、コーヒー粒の様子を見ながら静かにお湯を注ぎましょう。こし袋の泡がコーヒーに落ちてしまわぬよう最後まで気を抜けません。泡には灰汁が含まれているため、せっかくの風味が落ちてしまうからです。

う~ん、いれたては格別です。本書を参考に、何度も挑戦してみてくださいね。

クッキングパパにも登場! 「モカ」に隠された知られざる意味と歴史 

クッキングパパ 「COOK.74 入魂の1杯 おいしいコーヒーをいれよう!!」より。本話で注がれる一杯には心温まる「想い」も隠されている

ところで、荒岩主任(当時)が買い求めたコーヒー豆は、「モカマタリ」という種類です。上品な酸味と芳醇な香りのモカフレーバーが特徴的なこちらは、アラビア半島南西に位置するイエメン産のものです。

コーヒー豆と言えば、ブラジル産やエチオピア産などがよく知られていますが、イエメン産は、口にする機会が少ないかもしれません。しかし、調べてみると、イエメンはエチオピアと並び、コーヒー発祥の地と称されています。

砂漠地帯に隣接するイエメンでは、起伏に富んだ地形を生かして500年以上前から山岳地帯の段々畑でコーヒー豆が栽培されています。いまでも大量生産ではなく、伝統的な農法で丁寧に作られているため、希少価値があります。

15世紀後半になると、飲酒を禁止されているイスラム教徒の間で、コーヒーの飲用が広まったと言われています。ちなみに「モカ」とは、紅海に面するイエメンの貿易港の地名で、対岸のエチオピア産の豆とともにここから世界に向けてコーヒー豆が輸出されていきました。やがて、コーヒーはさまざまなフレーバーが生まれ、いまや最も世界中で愛されている飲み物になりました。

「おいしいコーヒーのいれ方」 麻布中の入試問題で問う意味とは

「おいしいコーヒーのいれ方」を科学的に考察しているのは、前回「第6回目/ミソ汁」でも取り上げた私立麻布中学校(東京)の2019年理科の入試問題です。

焙煎の度合いに応じて、コーヒーの苦味や酸味がどのように変化するのか、コーヒーミルのハンドルを回すスピードで味がどう変わるのか、エスプレッソのいれ方など教科書では教えてくれない設問がズラリと並んでいます。つまり「知識があるかないか」ではなく、ふだんの生活で身近な事柄に「好奇心を持っているかどうか」が問われているのではないでしょうか。

子供ばかりでなく、大人になっても好奇心を持ち続けて、新たな学びに励む――4月は特にそういう気にさせてくれます。

最後に、荒岩主任はなぜ、希少な豆を買い求め、こんなにも丹精込めてコーヒーをいれたのか――。格別な1杯をお供に、ぜひこの章をじっくり味わってみてください。

※現在は当時の状況と異なる場合があります。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち、メイン画像/kai-Stock.Adobe.com

◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年1月現在、単行本は160巻。

※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.74 入魂の1杯 おいしいコーヒーをいれよう!!」 を一話丸ごと読むことができます。

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