年に一度のアジア最大の食の祭典「FOODEX JAPAN 2022」を歩きまわって見つけた、今年ブレイクしそうな注目の10商品を4回にわたり紹介しています。焼けるチーズやこんにゃくを使った代替肉などの食材をご紹介した第1回目に続き、今回は健康で美味しい酒のつまみを取り上げました。
画像ギャラリーコロナ禍において、リモート勤務が続いたおかげで、ゴロゴロとポテチ生活の方も多いのではないだろうか? かくいう私はフリーランスなので、コロナ禍の前とたいして変わらない生活をしているのだが、どういうわけか時流に乗ってもれなくコロナ太りの一員に。
そこで、ただ美味しいだけではなく、食べてダイエットになる、かつ、栄養も取れるツマミはないのか。「その前に運動すればいいのでは?」という正論もあるけど、とにかく私は都合のいいツマミを求めて何百メートルもあるだだっ広い会場を行ったり来たりしているうちに、国内各地のおらが町や村の商品がPRされている「全国食品博」エリアへと突入した。
罪悪感のないつまみ1 ポテチやめてキクイモチップス派に
小さな「世界農業遺産にし阿波」ブースの前を通ると、役場の職員さんから「キクイモチップス、いかがですか~」と声をかけられた。徳島県西部地方の4地区の行政が共同で出展しているという。
焼き立ての餃子やソーセージの匂いが会場内に漂う中、キクイモは正直なところ、ちょっと地味な食材である。しかし無類のキクイモ好きにとっては、振り向かずにはいられない。キクイモとは、生姜のような形をしたキク科の北アメリカ原産の小さなイモで、あまりスーパーでは売られていないかもしれないが、道の駅などではたまに見かける。
「なんだイモか」と侮ることなかれ。キクイモは低脂質・低糖質でダイエット食としても注目されている上、血糖値の上昇を抑えてくれる水溶性食物繊維のイヌリンが豊富な食材として、常備食にぴったり。生でも食べられ、茹でればホクホク。
一方、生のイモではなく便利な乾燥のキクイモチップスは、直接、食べてみたこともあるが、どうしても泥臭く堅いので、我が家ではもっぱら味噌汁用である。茹でればシャキシャキとした食感が楽しめるし、お酢に漬けて冷蔵庫で放置してけば1日後には食べごろだ。
しかし、阿波ブースの職員さんが「徳島の美馬つるぎ菊芋栽培加工研究会のチップスは無農薬ですし、丁寧に洗浄されているので。地元のおばあちゃんたちはこのままバリバリ、おやつに食べてますよ!」と力説するので、思い切って1枚、齧ってみれば臭みもなくパリパリで柔らかい!
ポテトチップスほどの強烈なパンチはないが、素朴で地味な味わいに長く付き合っていけそうな予感がする。ただ、キクイモ好きでなければゴボウのような後味が少し気になるかもしれない。
そこで、チップスに塩を振り、オリーブ油を垂らしてレンジで温めてみてほしい。ゴボウのような香りも飛ぶし、温めれば柔らかくなり食べやすくなる。いただいたキクイモチップスでいろいろチャレンジした結果、私が一番、ハマった食べ方だ。
これは日本酒のあてにいいんじゃないか、とか何とか言ってひとりでバリボリ食べていたら、あっという間に一袋が空に。いくら食べても罪悪感がないキクイモチップス、うちでは常備つまみとしてストックされています。
■美馬つるぎ菊芋栽培加工研究会「乾燥キクイモチップス」
50g1袋で400円~500円程度。ネットで検索を。
罪悪感のないつまみ2 アマニとイワシでアンチエイジング!
「罪悪感のないつまみ」つながりで、もう一品、紹介したい。調理せずとも簡単に魚を食べられる上、日本酒のあてに欠かせない「みりん干し」だが、この会場で、今まで食べてきたものとはひと味、違うみりん干しを発見してしまった。
それが橋本五郎商店の「片口いわしアマニ干し」である。秘伝の甘辛タレにじっくり漬けた九十九里のイワシと聞いただけでも旨そうなのに、そこに香ばしいゴマが……思いきや、ブースの方に「これ、ゴマじゃないの。アマニっていうんです」と教えられる。
アマニとはアマという植物の花の種子で、日本でもアマニ油は知られているが、そのままでも食べられるそう。「イワシにもアマニにも、オメガ3脂肪酸がたっぷり。アンチエイジングにいいですよ」との言葉に、思わず自分の肌をぺたぺた。荒れてる……。
帰宅してからいただいたサンプルを軽くトースターで丸ごと炙ってかぶりつくと、イワシの苦味とタレの甘辛が絶妙すぎる。見た目よりも柔らかくジューシーで、アマニのプチプチ感もたまらない。味がしっかりついているので、酒を飲まない人なら、あつあつのご飯に乗せてもいいかもしれない。
約9匹程度の片口イワシが入った袋(小)が3袋セットで450円(送料別)とお手頃価格なのもうれしい。メーカー公式サイトでは売り切れが続いている模様だが、次のキャンプは、これを車に詰め込んで、バーナーの火でちびちび焼きながら食べてみよう。
■「片口いわしアマニ干し」3袋(小)450円(送料別)
橋本五郎商店 公式サイト
https://masagoboshi.com/item/AMN1/
ウイスキーにはこのチョコ! 大人のためのペカンナッツショコラ
ダイエットや健康に良さそうなツマミを見て回っていたのに、大好物のチョコのブースの前で足が勝手に止まる。いやいや、これも仕事だと思って……あのチョコもこのチョコも紹介したいけど、あれこれ試食した中で、私の今年のイチオシは、チョコレート専門店『グランプラス』の看板商品である「ペカンナッツショコラ」。
キャラメル、和三盆、抹茶、ココアの4種類。なかでもキャラメル味は最高だ。香ばしいペカンナッツの味わいと、濃厚なホワイトチョコ、そしてやや苦味の効いたキャラメルパウダーの3重奏に手が止まらない。
3時のおやつというより、ウイスキーが飲みたくなる大人の夜のためのチョコである。和三盆なら日本酒とも合うかもしれない。
「美味しいだけではありません。このペカンナッツは、昔から北米では重要な栄養源として食べられてきたのですが、最近では強い抗酸化作用が話題になっています」
美味しくて健康にもいい。もっとこのチョコの存在を知ってほしいと思う反面、「カロリーもだいぶ、お高いんでしょう?」と思わず手も止まる。
「そんな声に応えまして。まだ試作なんですけど」と差し出されたのが、ペカンナッツショコラのローカロリー版! 甘味は控え目だが食感や美味しさはそのまま。これは素晴らしい! 評判が良ければ、商品化されるらしい。私からも一票です!
■グランプラス ペカンナッツショコラ 75g 540円~
公式サイトから購入可能
https://www.grandplace-shop.jp/
以上、「FOODEX JAPAN 2022」で見つけた、健康でおいしいツマミの紹介でした。第3回目は、コロナ禍でにわかに注目された「ノンアルコール編」をお送りします。
取材・撮影/白石あづさ
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