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『うなぎ料理 はし家』 @津

地元の人におすすめのうなぎ屋を尋ねると、必ず名前が挙がる名店。2019年版『ミシュランガイド三重』でもビブグルマンに選出された。

中うなぎ丼 2090円

『うなぎ料理 はし家』中うなぎ丼 2090円

大ぶりなうなぎを使用しているので、3切れの蒲焼がのる「中うなぎ丼」(2090円)でも十分に満足できる。ご飯も並盛で他店の大盛くらいの量がある

『うなぎ料理 はし家』

[住所]三重県津市大門4-10
[電話]059-228-4925

三重・津に安くて旨いうなぎ屋が多いワケ

愛知県在住の筆者は、隣の三重県にも仕事でよく訪れる。とくに津への出張でいつも楽しみにしているのが、うなぎだ。津市内にはうなぎ屋が20軒以上あり、どの店も安くて旨い上にボリューム満点。店の敷居は低く、普段着で食べに行けるほど大衆的なのが特徴だ。

実際、筆者が訪れたときも観光客の姿はなく、地元の人ばかりという印象を持った。ちなみに、津は平成17(2005)年に市民ひとりあたりのうなぎの年間消費金額が全国1位になったこともある。津のうなぎ屋は、うなぎが大好きな地元の人々によって支えられているのである。

津は海に面していて、大きな川もあることから養鰻業が盛んだった。戦前から戦後にかけて最盛期を迎えるものの、昭和34(1959)年の伊勢湾台風で大きなダメージを受けた。昭和40年代後半に九州で養鰻業がはじまると、価格競争が激化した。

さらに外国産うなぎの輸入が解禁され、価格が下落。競争に破れた津の養鰻業者は廃業を余儀なくされた。そんな中、今でもうなぎを安く食べられるのは、産地にこだわらず仕入れているから。また、養鰻業が衰退しても津の人々は日常的にうなぎを食べる習慣があるから、うなぎ屋が多いのだ。

筆者が実食調査した旨安うなぎ屋を紹介!

10年ほど前、筆者が津で初めて行ったうなぎ屋が高野尾町にある『うなふじ』。当時から行列必至の人気店だったが、今回久しぶりに訪れると、さらにスゴいことになっていた。12時半頃に到着すると、店の建物の側面まで行列が続いていたのだ。人数にして30人以上。40〜50分待って、ようやく店内に入ることができた。

注文したのは、うなぎがご飯の上に4切れとご飯の中に1切れ、計5切れ入る「うなぎ丼(特)」(2200円)。うなぎはしっかりと焼かれているせいか、香ばしさは津のうなぎ屋の中でも随一だろう。何よりもこのコスパの良さが素晴らしい。

この日の夜は、市役所の近くにある『新玉亭』へ。大きな駐車場もあるので、これまで何度も来ている。平日の夜だというのに、店内はほぼ満員。テイクアウトを買い求める客もひっきりなしに訪れていた。

筆者がいつも注文するのは、うなぎが3切れのる「中丼」(2145円)。3切れでは物足りないと思うかもしれないが、ご安心を。ご飯を覆い尽くすほど大きくて分厚いので食べ応えも十分。焼き加減も最高だった。

うなぎの大きさや質の良さもさることながら、炭火焼きの技術の高さをあらためて実感したのは、近鉄津駅西口の目の前にある『大観亭支店 津駅西口店』。

「上丼」(2150円)のうなぎを頬張ったとき、皮と身の間の脂が口に溶け出して、ほのかな甘みを感じた。タレには三重・鈴鹿産のたまりを使っているそうで、見た目こそ濃厚だが、奥行きのあるコクを堪能できた。

最後に行ったのは、フェニックス通りを北へ入った場所にある『うなぎ料理 はし家』。店内に入ると、団体客がうなぎを美味しそうに頬張っていた。店員さんと親しげに話していたので常連客なのだろう。

やはり、ここも客の地元率が高い。注文したのは、「中うなぎ丼」(2090円)。他の店と同様に、ここのうなぎもデカい!特筆すべきはタレ。甘くもなければ辛くもない、絶妙な味付けなのだ。おかげで他店の大盛くらいあるご飯も飽きることなくペロリと完食することができた。

やはり、津のうなぎは旨い!今回の実食調査であらためて実感した。また行こうと思う。

撮影・取材/永谷正樹

※2022年8月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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