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「フルーツは体に良いから、たくさん食べたほうがいい」と思ってはいませんか? 実は、フルーツの食べすぎは健康にいいどころか、生活習慣病を引き起こすことになりかねないのです。ごはんがわりにフルーツを食べたり、食後のデザートにフルーツを食べることを習慣にしているような人は、その食習慣を今すぐ見直しましょう!

文/田村順子(フードライター)、写真/写真AC

フルーツは砂糖たっぷりのお菓子と同じ!?

フルーツは体に良い成分がたくさん含まれているのは間違いないのですが、そのいっぽうで糖もたっぷり。とくに近年は、品種改良によって糖度もどんどん高まっています。美味しさに比例して、含まれる糖の量も増し増しになっているということです。つまり、フルーツは砂糖の塊のような食品なのです。

糖質が多い代表的なフルーツはバナナで、約1本(可食部100g)あたり21.4gも糖質が含まれています。これはシュークリーム(100g)22.1gと同等です。ほかには、ぶどう、柿、りんご、桃、パイナップルなども糖質の多いフルーツです。

りんごは丸ごと1個(250g)を食べてしまうと35.3g、大福1個と同じくらいの糖質をとってしまうことになります。

もちろん、フルーツにはビタミン、ミネラル、食物繊維など、体に良い成分も豊富に含まれているため、お菓子と単純比較はできませんが、それでも糖質量の多さが問題であることは間違いありません。

桃1個(約200g)で糖質は17.8g。小ぶりのあんぱん1個分の糖質量とほぼ同じだ

フルーツに含まれる糖は太りやすい!!

フルーツの本当の問題は糖質の量ではなく、糖質の質にあります。

糖は鎖のような構造を持ち、鎖が1個の糖が単糖類、2個つながったものが二糖類、さらにたくさんの鎖がつながったものが多糖類と呼ばれます。つながった鎖の数が少ないほど体に吸収されるスピードが速くなり、血糖値の上昇スピードも速くなります。

フルーツに含まれる糖は「果糖」と呼ばれるもので、この糖は鎖が1個の単糖類に分類されます。つまり、フルーツの果糖は血糖値を急上昇させる糖ということです。

血糖値が急上昇すると血液は大量の糖が漂った状態になります。糖は体を動かすときの主要なエネルギー源なので運動中など、大量にエネルギーを消費しているときには問題ないのですが、それほど体を動かしていないときには使い切れなかった糖が血液中を漂い続け、それらは肝臓や皮下、内臓のまわりに蓄積されてしまいます。その結果、肥満や脂肪肝、内臓脂肪の増加を引き起こします。

いっぽう、血糖値の上昇がおだやかになると時間をかけて少しずつ血液内に糖が放出されるため、その間に体を動かしたりすることで糖は消費されて使い切れない糖の量を減らせます。

果糖はほかの単糖類と比較すると若干、血糖値を上げにくいのですが、そのいっぽうで、内臓脂肪のモトとなり、動脈硬化などを引き起こす中性脂肪を増やしやすいと言われています。

ダイエットのためにフルーツは逆効果!?

ごはんを我慢して、そのかわりにフルーツを食べている。そんな人がいるかもしれませんが、それは逆効果です。その理由は、前述のようにフルーツに含まれる糖が太りやすいということにもありますが、腹持ちが悪いということにもあります。

フルーツは水分が多いため、食べた瞬間は満腹感を得られるのですが、その分、消化時間も早いため、すぐにお腹が空いてしまいます。いっぽう、ごはんやパン、麺類は消化に時間がかかるため、長時間にわたり空腹感を感じることがありません。

空腹感に耐え切れずに、頻繁に間食をしてしまうくらいなら、腹持ちの良いごはんやパンなどを食べたほうがずっといいのです。

お薦めなのは、玄米、全粒粉を使ったパンやパスタなど、精白度が低い食品です。穀類は精白度が低いほど血糖値の上昇がおだやかになります。「主食は白より茶色を選ぶ」と覚えておくと便利ですよ。

腹持ちが良いということで一時バナナダイエットが流行したが、糖質が多い果物なので食べすぎは逆効果
主食を食べずにフルーツはNG。糖質が気になるなら、玄米のような茶色の穀類を
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フルーツを食べてOKなのは15時まで...
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おとなの週末Web編集部
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