大名屋敷の遺構を観る 門さんぽ
『林光院表門』 @上野
徳島藩蜂須賀家所有の江戸中屋敷御庭仕切門。庭園の門であったためか装飾的なのが特徴
『黒門』 @上町
東京国立博物館の敷地内にある鳥取藩池田家屋敷の表門。最高格式の門らしくとにかくでかい!
【門の格式って?】
身分制度があった江戸時代では、階級に応じて門の様式が決まっていました。中でも、中央がウェーブした屋根の出番所(門番の詰所)が左右にあるのは最高格式の門の証なんです。
『西教寺表門』 @東大前
姫路藩酒井家の江戸上屋敷の門。11代将軍家斉の25女・喜代姫が酒井家に嫁いだ際に建てられた
『赤門』 @東大前
加賀藩前田家の江戸上屋敷の門。徳川御三家に次ぐ家柄であっただけに左右に番所がある最高格式
【赤門って?】
赤門は徳川家のお姫様が嫁いだ大名屋敷にのみ建てることが許された門。子女を各家に嫁がせることで家同士の結びつきを作った徳川家の外交政策の名残でもあるのです。
『豪徳寺赤門』 @豪徳寺
彦根藩井伊家のものと伝わる赤門。豪徳寺は井伊家の菩提寺であったため寺内には井伊家墓所がある
『世田谷代官屋敷』 @上町
彦根藩世田谷領で代官を務めた大場家の邸宅兼代官所の門。瓦屋根ではなく茅葺き屋根で民家風
【武者窓って?】
武者窓とは、警備のために設けられた太い格子のついた窓で武家屋敷の特徴です。大場家は武士から帰農した家であり代官所でもあるためか、門に武者窓があるのが分かります。
『西澄寺山門』 @三軒茶屋
徳島藩蜂須賀家の中屋敷門。二十五万石の家禄だけあって威風堂々とした造り。門の両側には立派な番所も
『岡田家長屋門』 @都立大
代々名主を務めた岡田家の長屋門。現在でも個人宅の門として使用されているので見学は控えめに!
【長屋門って?】
武家屋敷の表門の様式のひとつ。門の両側には居住空間が作られ家臣が住みました。民家でも特別な場合には長屋門が許されましたが壁は板張りが基本。漆喰塗りの壁は武家とのつながりがあると推測できます。
撮影/小澤晶子、取材/藤沢緑彩
※2022年10月号発売時点の情報です。
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