サクサクのコーンは単体でも非常に美味!
深澤さんによると、商品開発の前提としたのは、ワッフルコーンタイプのシュガーコーンを使用すること。その理由は、アイスクリームショップ(路面店)では甘みと風味のあるワッフルコーンが多かったことと、当時の市販商品は味のないコーンが主流だったため、差別化を図りました。
今回は特別に工場からヨーロピアンシュガーコーンのシュガーコーンだけを取り寄せていただき、試食することができました。綺麗に焼き上げられたシュガーコーンを食べてみると、サクサクっとした食感が際立ち、シュガーコーンのそのもののおいしさに驚きました。
「コーンの風味と甘さのインパクトを支えているのが隠し味に微量の塩です。ただ芳ばしくて甘いだけではなく、切れの良い後味にもこだわっています」と深澤さんは美味しさの秘密を話します。
ワッフルコーンに続いて、ヨーロピアンシュガーコーンも実食!バニラの部分はもちろん、このコーンの先端に溜まったチョコレートがいい感じにとろけて最後の最後までおいしい! 例えるならば、宿泊先の朝食がおいしいみたいな感じです……!
開発チームは、家庭の冷凍庫で保管している間もサクッとした食感が保てるよう、コーンの内側に吸湿防止のチョココーティングを施しました。コーンの内側にチョコスプレーを吹きかける際は上から満遍なく吹きかけてコーンの先端にはチョコレートが溜まって最後まで楽しんで食べることができます。
ヨーロピアンワッフルサンドも登場!
2022年2月には、ヨーロピアンブランドの新ラインナップとして「ヨーロピアンワッフルサンド」を仲間に加え、全国のスーパー、コンビニへと販路を拡大しています。ヨーロピアンシュガーコーンの兄弟商品としてアイス好きのハートを鷲掴みにする仕掛けがあります。
ワッフルコーンタイプからワッフルサンドに形態をただ変えただけではなく、ヨーロピアンブランドコンセプトはそのまま継承しており、アイスのグレードをラクトアイスからアイスミルクにグレードを上げ、1個に対してのチョコレート使用量や柔らかさを改良し、ワッフル生地も薄焼きにしてサクサク食感が担保できるように工夫しています。
※ちなみにアイスミルクとラクトアイスの味の違いをシズリーナ荒井が超簡単にお伝えすると、味噌ラーメンのバタートッピングの有無のようなイメージです。アイスミルクの方がコクがより高くなり(バター有)、ラクトアイスはコクもありながらも後味がすっきりしています(バター無し)。
たしかに、食べてみるとチョコレートのしっとり感(やわらかさ)とサクサクのワッフル生地とのコントラストが面白く、食べ応えがありますね! この味を知ってしまったら間違いなくこれを買いだめしてしまいますね。「ヨーロピアンワッフルサンド」は商品開発ではどんなところに苦労したのでしょうか?
「コーンの仕上がりはもちろんですが、チョコレートの生チョコのような食感を出すのに一番苦労しました。同じようなワッフルコーンタイプの商品を開発しても既存商品が売れなくなってしまう恐れがあるため、ヨーロピアンブランドでありつつも、形態を変えながらもアイスクリームのバニラ、コーン、そして、チョコという三つの味の構成は守りたいとこだわり抜いた結果、開発から商品化までに約2年かかりました」(深澤さん)
ヨーロピアンシュガーコーン、ヨーロピアンワッフルサンドのいずれもアイスクリームのバニラ、ワッフル、そして、チョコという三つの味の絶妙なバランスが実現され三位一体のアイスとなっています。ぜひ、食欲の秋のおやつとして食してみてはいかがでしょうか?
そして、このクラシエフーズさんといえば、カネボウ食品時代に誕生したアイスもたくさんあります。この懐かしアイスがアイスマニアのシズリーナ荒井を形成したといっても過言ではありません。次回の「シズリーナ荒井のアイス見聞録」は私のアイスの思い出とともに数々の懐かしアイスをご紹介していきます!お楽しみに!
文・写真/シズリーナ荒井、写真提供/クラシエフーズ