それは食中毒症状
答えは(1)の「卵」です。
「食品表示基準」では、アレルギーの原因となる食品として、「特定原材料」7品目が加工食品に対して表示することを義務付けられ、それに準ずるものとして21品目が表示することを推奨されています。「卵」は特定原材料に指定されていますが、「長芋」と「マグロ」は現在のところ上記28品目には含まれていません。
卵アレルギーは、消化器官が未発達な子どもに多く起こるアレルギーで、原因物質は「オボアルブミン」や「オボムコイド」という卵白部分に多く含まれる成分です。ほとんどはじんましんが出たり、口の周りが腫れる程度の軽症ですみますが、咳が止まらなくなったり、呼吸困難におちいるなど重篤な症状が出ることもあります。子どもが成長して消化器官が発達すると、症状が起こらなくなることが多いと言われます。
長芋とマグロを食べて選択肢のような症状が出る場合、その多くはアレルギーではなく、食中毒によるものです。マグロなどの赤身魚にはヒスチジンというアミノ酸が多く含まれており、ヒスタミン産生菌が産生する酵素の働きで「ヒスタミン」になります。ヒスタミンを100mg以上摂取すると、食中毒を発症するとされています。じんましん、頭痛、嘔吐、下痢などの症状が出ます。呼吸困難や意識不明の重症になることもありますが、死亡事例はありません。鮮度が落ちるとヒスタミンを多く含む可能性が高まりますので注意が必要です。
長芋に含まれる「アセチルコリン」という成分も、同様に食中毒症状の皮膚の赤身やかゆみを引き起こすことがあります。多くの場合は症状が軽く一過性です。
ヒスタミンやアセチルコリンは、いずれもアレルギーと似た症状を引き起こすことがあるために、「仮性アレルゲン」と呼ばれます。症状からは、アレルギーとの判別は困難ですが、免疫機能が関与しておらず、誰でも発症する可能性があるという点で、アレルギーとは異なっています。