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「ビタミン」の意味

(1)は、「その抽出に成功した」が誤りです。当時はタンパク質・炭水化物・脂質・ミネラルが「4大栄養素」として知られていましたが、ケンブリッジ大学の生化学者フレデリック・G・ホプキンスは、ネズミの飼育実験の結果、牛乳の中に成長に必要な未知の栄養素が存在することを証明しました。これが特定の微量栄養素(後のビタミン)が生命の維持に必須であることの最初の発見であり、その功績によりホプキンスは1929年にオランダの医師クリスティアーン・エイクマンと共にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。しかしこの時点では、その栄養素がどのようなものであるかはまだ不明でした。

(3)は、「豚肉からその栄養素を抽出」が誤りです。豚肉はビタミンB1を多く含む食材ですが、フンクがその成分を抽出したのは、鈴木博士と同様、米ぬかからでした。フンクは、エイクマンによる脚気に関する記事を読み、脚気の原因について研究しました。1911年に、脚気が米ぬかに含まれる成分の欠乏によるものであることを発表し、1912年にこれを「生命の(vital)アミン(amine)」という意味で「ビタミン(Vitamine)」と名付け、ビタミン(Vitamin)の最初の発見者とされました。
※「アミン」とは窒素を含む有機化合物のこと

野菜や果物にはビタミンが豊富に含まれている

(参考)
[1] 鈴木梅太郎のビタミンB1の発見(東京大学大学院農学生命科学研究科)
http://www.bt.a.u-tokyo.ac.jp/senjin/vol1/
[2] 鈴木梅太郎(牧之原市)
https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/soshiki/33/1591.html
[3] 12月13日を『ビタミンの日』に制定(『ビタミンの日』制定委員会)
http://www.vic-japan.gr.jp/vitamin_day/press.html
[4] 脚気の発生(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/meiji150/eiyo/01.html
[5] 脚気撲滅への挑戦(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/meiji150/eiyo/02.html

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圓岡太治
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