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没後26年経ってカメラを発見、現像写真を初展示

会場内には、1996年の夏にシベリア取材を記録した最後の取材ノートなど様々な資料とあわせ、買ったばかりだったのにオオカミに持ち去られてしまい、後で回収したカメラ(「ニコンF3」)や、亡くなって26年後の2022年5月にアラスカの自宅地下室で発見されたパノラマ撮影用カメラ(「フジパノラマG617プロフェッショナル」)も展示されています。現像したところ、6枚の画像が確認でき、雪の上を歩くホッキョクグマの親子の姿などが写っています。残された日誌の記録から、亡くなるおよそ1年前に、北極圏近郊のカナダ・マニトバ州チャーチル付近で撮影されたものと推測されるそうです。

星野が最初に訪れたシシュマレフは、現在、地球温暖化により海が凍る期間が短くなり、高波から守る氷の壁が大きくならないため波が押し寄せ、土地が浸食されている環境破壊が、深刻な問題となっています。星野は、日々進化していく科学や工業技術の一方で、自然との共存精神が失われていってしまうことへの危機感を抱いていたといいます。パノラマカメラから見つかった新たな作品を含め、展示された写真の数々からは、極北の地で生きる野生動物や人々の魅力を感じるとともに、写真家・星野の思索の過程も強く感じることができるでしょう。

NHKが特集 12月18日夜の『ダーウィンが来た!』

生誕70年の節目だけあって、メディアでも星野道夫は何度も取り上げれています。

12月5日には、『ワイルドライフ』(NHK-BSP/BS4K)で「アラスカ悠久の自然 星野道夫が見たトナカイ大集結」として、その活動の様子が放送されました。12月18日午後7時半からは『ダーウィンが来た!』(NHK総合)で『星野道夫が見たトナカイ大集結』が放送されます。

【星野道夫・年譜】

1952年 9月27日 千葉県市川市に生まれる
1968年 慶應義塾高等学校日吉校入学
1971年 慶応義塾大学経済学部入学
1976年 慶応義塾大学経済学部卒業、動物写真家・田中光常氏の助手を2年間務める
1978年 アラスカ大学野生動物管理学部入学(4年間留学)
1986年 写真集『グリズリー』で第3回アニマ賞受賞
1990年『週刊朝日』連載「Alaska風のような物語」第15回木村伊兵衛写真賞受賞
1996年 テレビ番組の取材同行中に、ロシア・カムチャツカ半島クリル湖で、ヒグマに襲われて急逝

受賞は他にも、日本写真協会賞・特別賞(没後)等受賞多数。
作品は、『家庭画報』、『たくさんのふしぎ』などの多くの国内誌に掲載される。
『National Geographicナショナル・ジオグラフィック』米国版に特集で掲載された日本人写真家はごくわずか。岩合光明に続き、2人目は星野道夫である。

『星野道夫 悠久の時を旅する』概要

【開催期間】2022年11月19日〜2023年1月22日
【会場】東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内「東京都写真美術館」地下1階展示室
【開館時間】10時〜18時(木、金曜日は20時まで)※入館は閉館の30分前まで
【休館日】月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌日休館)、
     年末年始(12月29日~1月1日、1月4日)※12月28日、1月2日、1月3日は臨時開館
【観覧料】一般1000(800)円/ 学生800(640)円 / 中高生/65歳以上600(480)円
【問い合わせ】03-3280-0099(東京都写真美術館)

※( )内は当館の映画鑑賞券ご提示の方、各種カード会員様、目黒区在住の方(お住まいの住所が分かるものをチケット販売カウンターにて提示)割引 / 小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料です。
※各種割引の併用はできません
※事業は諸搬の事情により変更することがございます。
※会場混雑時にはご入場をお待ちいただく場合がございますので、事前に「オンラインによる日時指定予約」をしてのご来場を推奨いたします。

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おとなの週末Web編集部
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