フードロスの世界の取り組み
答えは、(3)の「東京ドーム約1000杯分」です。
世界で廃棄されている食料は、1年間に13億トンです。これを13億トンの水に換算すると、体積は13億立方メートル。東京ドームの体積が約124万立方メートルなので、東京ドーム約1048杯分となります。あの大きな東京ドームを食品で埋め尽くしていくことをイメージすると、途方もない量ですね。
なお、日本におけるフードロスは年間522万トン(令和2年推計値)で、東京ドーム約4.2杯分です。これは驚くべきことに、飢餓に苦しむ人々に対する世界の食糧支援量(2020年で年間約420万トン)の1.2倍に相当します。
フードロスは大きく次の2つに分けることが出来ます。
・「事業系食品ロス」
食品製造業や外食産業などで、事業活動にともなって発生する食品ロス
・「家庭系食品ロス」
各家庭から発生する食品ロス
日本におけるフードロス年間522万トンのうち、事業系食品ロスは275万トン、家庭系食品ロスは247万トンとなっています。フードロスというと、『消費期限が過ぎて廃棄されるおにぎりやお弁当』などの事業系食品ロスが問題とされがちですが、家庭系食品ロスもかなりの割合にのぼっています。それぞれの家庭で食品ロスを減らすことも重要だと分かります。
食料を生産するには、膨大な資源やエネルギーが投入されています。無駄に生産するということは、それだけ資源を無駄にすることにもなります。
また、余った食べ物は廃棄物として焼却処分などにされますが、コストがかかる上に、運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出します。焼却後の灰の埋め立てなども環境負荷となります。
2015年の国連サミットで、「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」が採択され、2030年までの達成を目指す国際社会共通の持続可能な開発目標(SDGs、Sustainable Development Goals)が示されました。その中に、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」という目標が盛り込まれました。
日本も「事業系食品ロスを2030年度までに2000年度比で半減する」との目標を立てています。同様に家庭系食品ロスについても2030年度までに半減させる目標を設定しています。