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「飛騨中華そば」の特徴 「スープとタレを一緒に煮込む」こと

飛騨中華そばに特徴をいくつかご紹介いたします。

1996年当時の「やよいそば」の中華そば

・スープとタレを一緒に煮込む
ラーメンはスープとタレを別々に作り、丼にタレを入れてスープを注ぐことが一般的ですが、飛騨中華そばでは、スープとタレを一緒に混ぜて煮込みます。そのため、午前中と夕方では煮込み時間により味わいが変化し、地元の通は好みの時間帯にお店を訪れます。

・年越しは日本蕎麦ではなくラーメン
飛騨高山では、年越しに日本蕎麦でなく、ラーメンを食べる習慣があるのです。シーンと静まった大晦日の夜、外には人通りがありません。そして12時近くになり除夜の鐘が鳴るや否や、急に大勢の人が次から次へと外出し始めます。その目的はラーメン店。飛騨高山では、厳密にいうと年越しではなく年を迎えてからラーメンを食べる習慣があります。

・やよいそばの歴史
やよいそばの歴史は昭和23年。現存する飛騨中華そば店の中では、2番目に古い老舗店となります。屋号「やよいそば」はすぐそばにある「弥生橋」からきております。

下記の写真は昭和30年代のやよいそばの外観です。

昭和30年代の「やよいそば」外観(提供:やよいそば本店)

看板には「中華そば・とんかつ」、メニュー表には、中華そば(並盛・大盛・お子様)、とんかつ、ホットライスの文字が書かれています。ホットライスというメニュー名が面白いですね。飛騨高山では、郷土料理である「漬物ステーキ」のように極寒の冬に温かい食べ物がご馳走だったためこのようなメニュー名になったのではないかと考えられます。

・「やよいそば」の中華そば
やよいそばのスープは鶏ガラ、野菜を2時間程煮てから、鰹節を入れて30分煮込み、それから濾して醤油などで味付けして、さらに煮込みます。こうして醤油を加えて煮込むことにより、色濃い「やよいそば」独特のコクと旨味を兼ね備えたスープが完成します。

「やよいそば」の中華そば(2022年撮影)

麺はもちろん自家製麺。全国的に見てもかなり珍しい平打ち細ちぢれ麺。低加水(小麦に加える水分が少ない)のため、スープとの相性も良く、のど越しと歯切れが良いです。飛騨高山は水が美味しいこともあり、今回の出店ではその水で作った麺を本店から送ります。

具材はシンプルでありながらそれぞれが役割を果たしております。昔ながらの中華そばに欠かせないメンマ、油分の少ないスープに旨味を加えるバラチャーシュー、そして最大のポイントはこの時期(11月~3月)に旬を迎える飛騨の根深ネギ。ネギの成長にともない上をかぶせていくため、日光が当たらない分、白い部分が長くなり、青い部分が短くなります。甘みがありやわらかく、やよいそばの中華そばには欠かせない食材です。

・聖地巡礼、アニメで知名度が高まる
飛騨中華そばがアニメを通して認知度が高まっております。そのアニメは2016年に公開され数々の記録を作った「君の名は。」、そして2012年からテレビ放送された「氷菓」です。

「君の名は。」は主人公の女子高校生、三葉(みつは)が飛騨地方の山深い田舎町に住んでいるという設定で、劇中に飛騨中華そばも登場します。そして「氷菓」は、著者の出身地である岐阜県高山市が舞台に描かれております。その中で、やよいそばをモデルとしたお店「あすかそば」も登場します。

首都圏では飛騨中華そばを食べられる本格的なお店(本店が飛騨地方にあるお店)はありません。「やよいそば」が食べられるのは2023年2月21日(火)~3月13日(月)の3週間です!!

まずは一度食べてみてください。そしていつの日か飛騨高山まで足を運んでいただけると嬉しいです。

『新横浜ラーメン博物館』の情報

住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人380円、小・中・高校生・シニア(60歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円

※協力:新横浜ラーメン博物館
https://www.raumen.co.jp/

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おとなの週末Web編集部
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