店のテーマは「寄り道は人生を豊かにする」
「立喰酒場 金獅子」は、大阪でサラリーマンのオアシスと呼ばれるコストパフォーマンスの高さで人気の居酒屋。東京では、ヤエパブが初出店となります。店長の内山亮平さんが、豊洲市場で食べたマグロに感動し、“こんなにうまいなら使ってみたいと”考案したランチ限定のちらし海鮮丼(1000円)がおススメ。「紅生姜の天ぷら」や「金獅子の赤味噌煮込み」という大阪の人気メニューも、もちろん味わえます。
谷中のかき氷の名店、海外初出店のインドのコーヒーも
ヤエパブには、このほかにも、個性際立つお店の数々が。
リレー形式で店が入れ替わる「かき氷コレクション・バトン」のトップバッターとしてオープンするのが、東京・谷中のかき氷の人気店「ひみつ堂」。リレー型ラーメン店舗の最初に登場するのは、『ミシュランガイド京都・大阪』で5年連続ビブグルマン獲得店となった「煮干そば 藍」です。「極濃厚魚介つけ麺」は、ヤエパブでの限定商品です。
クラフトビールが初めてという方におすすめなのは、渋谷の人気ビアバー「CATARATAS YAESU」。ナチュラルワインとイタリア郷土料理を楽しみたいなら「ta.bacco」。「BLUE TOKAI COFFEE」は、インド最大級のスペシャリティコーヒーカンパニーの海外初出店となります。
飲食店以外では、彫刻や絵画、アートグッズ等の展示・販売をしている「PALPITO」。「福祉×アート」で社会をつなぐ岩手県初のアートライフスタイルブランド「HERALBONY」も。“飲み屋街”に、アートに触れる場所がある―――。こんな独特の空間構成も、ヤエパブの大きな特徴でしょう。
快適な環境でありながらカオスともいえる“ヤエパブ”
ヤエパブのプロジェクトリーダーを務めた三井不動産の商業施設本部アーバン事業部事業推進グループの安田嵩央さんは、ヤエパブの魅力について、次のように語ってくれました。
「東京駅の目の前でトレンドを作りたいとなったときに、今までとは異なることをやっていかなくてはならないので、町場の繁盛店のグルーブ感を商業施設でやることが、テーマになりました。路面店の個人性が際立った方たちは、ブランディングもできていて売れていて、熱狂なファンもついています。その方たちに話を聞いたときに、どんなことがネックになるかヒアリングすると、期間と投資コストがネックになることがわかったので、設備投資は三井不動産が負担し、契約期間も1ヵ月から最長3年という期間に設定して、出店者に決めてもらいました。出店者にとってはリスクが減り、来客者にとっても来るたびに新しい出会いと発見を得ることができます」
「居心地の良い空間づくりを実現するために、あえて店舗数は増やさず、11軒にしました。数ある応募の中から検討を重ねて選考した店舗は、“ヤエパブ”に共感し、コミュニティ感や共創関係を築きあえる人たちが集まっています」
「かき氷屋さんがあって、立ち飲み屋があって、レストランがあってアートが買えるなんてある意味、八重洲という街の雑多感、“整然とされたカオスな空間”と呼んでるんですけど(笑)、『食』と『物販』が混在しているので、立ち飲みをしていたらコーヒーがあるから飲んじゃった、みたいな“偶発的な出会い”も体験できる空間となっています」