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「脳のゴミ」を蓄積させない

認知症とは、脳の神経細胞の働きが衰え、記憶力や認知機能が低下し、社会生活に支障をきたしている状態をいいます。いくつかの原因がありますが、もっとも多いのが「アルツハイマー型認知症」で、日本人の場合、約7割がこれにあたるといわれています。アルツハイマーが発症するメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、現在のところ、つぎの『アミロイドβ仮説』が強く支持されています。

通常、加齢とともに脳には老廃物がたまります。これがアミロイドβと呼ばれるタンパク質で、「脳のゴミ」と呼ばれることもあります。通常は分解されて脳外へ排出されます。ただ、排出されずに残ったアミロイドβが脳内に蓄積されていくと、それを引き金に「タウ」というタンパク質が糸くずのように集まり、脳の神経細胞を傷つけます。

傷ついた神経細胞は死滅し、脳が委縮していき、やがて認知症を発症するに至ります。このプロセスは20年以上をかけてゆっくり進行すると考えられています。したがって、アルツハイマーを予防するためには、若いうちからアミロイドβを蓄積させないような生活習慣を心掛けることが必要だと言われています。

ただし、アミロイドβを除去しても認知機能低下が改善されるとは限らず、また、そもそもアミロイドβの蓄積を防ぐことがアルツハイマーの発症を防ぐことになるのかどうかも、完全に解明されたとはいえず、今後の研究成果が待たれます。

「アルツハイマー型認知症」は、日本人の場合、約7割がこれにあたるという

(参考)
[1] 知っておきたい認知症の基本(政府広報オンライン)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html
[1] アルツハイマー病を予防できる可能性 - カマンベールチーズに原因物質の沈着を抑える成分を発見(東京大学)
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20150310-1.html
[3] 脳の糸くずのない未来(東京大学)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/f_00040.html
[4] イソフラボン、大豆製品の摂取量と認知機能障害の関連について(国立がん研究センター)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8905.html
[5] 認知症予防にはこんにゃく由来グルコシルセラミドが効果的(北海道大学)
210830_pr.pdf (hokudai.ac.jp)

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圓岡太治
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