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京都を訪れたら見逃せない、その名も「三十三間堂」。壮大な規模と感動的な美しさで知られるこの寺院は、京都でも著名な名所です。これまで、空也上人像、みかえり阿弥陀を拝観しましたが、最後は三十三間堂です。

三十三間堂:千手観音は1000体ではありません

このお寺の正式名称は「蓮華王院(れんげおういん)」で、天台宗の名刹です。本堂は南北120mという大きさを誇りますが、「三十三間」あるという意味ではなく、柱の間が三十三あるということです。一間(1.818m)なら、60m弱の長さということになりますが、実際はその倍以上の長さです。

本堂に入ると、仏像の美しさと共に、その規模に圧倒されます。本像の中央には、ひと際大きい千手観音座像が鎮座しています。中尊(ちゅうそん)と呼ばれています。十一の顔と四十二本の手を持つ、寄木造りの仏像です。1000体ほどの千手観音立像を率いているような威厳があり、また思慮深い慈悲の目で全世界を見通している印象です。高さは3.55m、鎌倉時代に湛慶(たんけい)が弟子と共に作製した作品です。

ご本尊の千手観音座像。台座や光背を含めると7mを超える。寄木造り、漆箔、玉眼

その左右に1000体ほどの観音像が一列に並んでいる姿は、圧巻です。千手観音立像は、中尊と同じく頭上に十一面を持ち、両脇に40の手、合掌している両手を合わせると42本の手があります。

千手観音とは、千の手を広げて民衆を救済する仏さまという意味です。1000体の仏像が10段の階段の上に安置されています。堂内は静謐そのもので、自然と声をひそめ、自分の内側と向き合うことができます。普段は雑念の塊のような私ですが、1000体もの観音像と共にいると心の中の騒ぎが落ち着き、内なる静けさに触れることができる気がします。

1000体の表情はそれぞれ違い、自分に似ている像が必ずあるとか、親しい知人のような顔の像があると言われています。が、私は自分自身に酷似している像は見つけることはできませんでした。仏の顔になるには、人間がまだできていないのでしょう。

ところで、さきほど書いたようにここはお堂の長さは「三十三間」ではありません。もうひとつ面白いのは、本堂に安置されている千手観音立像は1000体ではありません。中央の中尊の後ろにポツンと1体が置かれています。この1体は、段の上に乗っていませんので、中尊の後ろの位置を目を凝らして見て探してみてください。計1001体の千手観音立像、そして千手観座像(中尊)が納められています。

また、千手観音像以外にも仏像が堂内には並びます。

迫力ある風神・雷神像が左右に置かれているのです。風神・雷神像の彫像としては日本最古の作品といわれています。寄木造りで風神が111.5cm、雷神が100cmの大きさですが、躍動するような動きを精緻に表現しています。

風神像は鎌倉時代の作。像高は111.5cm

さらに二十八部衆の立像も見事です。二十八部衆は、バラモン教を起源としているものもあるとされており、他の寺院では見られない和風でない(?)仏像もあるのでじっくり拝観する楽しみがあります。

二十八部衆立像は、寄木造り、彩色、玉眼。千手観音の従者

堂外に出ると、美しく手入れされた庭園が広がっています。季節によって移り変わる植物の姿を眺めながら、心地良い風を感じてみてはいかがでしょう。

三十三間堂の美しい外観。当時の技術ではあるが、耐震構造となっている
御朱印

蓮華王院三十三間堂

京都市東山区三十三間堂廻町657
8:30~17:00(受付終了16:30) 11月16日~3月31日は9:00~16:00(受付終了15:30)
拝観料:600円

*JR東海の「そうだ 京都、行こう。」シリーズでは、「あなたは、どの仏像から入りますか?」キャンペーン(2023年5月20日~9月30日)を行なっています。詳細は、以下の特設サイトにリンクしてください。

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この記事のライター

おとなの週末Web編集部 出樋
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