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小説『バスを待つ男』などの著作がある作家の西村健さんは、路線バスをテーマにした作品の書き手としても知られています。西村さんが執筆する「おとなの週末Web」の好評連載「東京路線バスグルメ」の第5弾は、多摩川を越えてお隣の神奈川県に遠征します。今回は、東京の路線バスではなく、横浜の路線バスに乗車。横浜の魅力的な街を訪ねます。

日本武尊が使った六角形の箸

今回は「六角橋商店街」へ行ってみます。

変わった地名ですが、商店街のホームページによると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、地元の有力者の庵に泊まり翌朝、使った六角形の箸を彼に渡したことから「六角箸村」と称したのが始まり、だとか。それが「六角橋」になった、というけどホントかなぁ(笑)。何か、かなりこじつけのような気がしないでもない。

「36」系統

とにかく行ってみます。

今回はこれまでとは違い、横浜駅の東口ではなく西口のバスターミナルからスタート。横浜市営バスの「36」系統に乗り込みます。

「36」系統に乗車

バスはターミナルを出ると基本的に北東へ向かう。これまでは南方向へ行ってばかりでしたからね。逆方向。それだけでまた、何だかドキドキする。

やがてJR東海道線の線路沿いに、東京方面に向けて走り始めました。しかしそれも、JR東神奈川駅まで。ここでほぼ90°左折すると、小さなターミナルを経由し、駅を背にして走り出します。

直ぐに何かの線路の高架を潜ったかと思うと、目的地はもう程ない距離でした。「六角橋」バス停で下車。降りるとまさにバス停の目の前に、そそるお店を見つけてしまいました。

「六角橋」バス停前に『天せ』がある

「うまい・安い 天丼の店」『天せ』。もうこの入り口だけで、侮るわけには決していかない、と分かる。しかも表のガラスケースを覗くと、天丼何と600円!? そ、そんなのアリ? ここを無視して他の店に入っている自分の姿なんて最早、想像もつかない。目的地に着いた次の瞬間、店が決まってしまった。こんなの、初めて!

いやいや、待て待て。焦りは禁物。そもそもここで終わってしまっては、原稿にならない。まずは六角橋商店街を歩いてみなければ。グルメに移るのはそれからです。

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三角アーチゲートの商店街がお出迎え 神奈川大生の青春の町...
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西村健
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