本誌2023年11月号では、久しぶりに寿司を特集。コロナ禍を経て、店のあり方に提供の仕方に色々と変化がありました。ライター菜々山、肥田木、藤沢、松田に編集・戎を加えた5名で、あーだこーだと令和の寿司について大放談!?今後…
画像ギャラリー本誌2023年11月号では、久しぶりに寿司を特集。コロナ禍を経て、店のあり方に提供の仕方に色々と変化がありました。ライター菜々山、肥田木、藤沢、松田に編集・戎を加えた5名で、あーだこーだと令和の寿司について大放談!?今後のおいしい寿司活に役立てて下さい。
多様性と気軽さ、酒の充実が令和の寿司店!?
菜「そういえば、寿司の特集って実は数年ぶりじゃない?」
肥「前はコロナ禍だったから、ランチのお寿司だったもんね。お酒、一切ナシの!」
菜「ありがたいことに、今はじゃぶじゃぶ飲める(笑)。やっぱ寿司には日本酒がないとね」
藤「そうでもないんですよう。ワインって手も断然アリなんです!」
菜「え〜?私的にはビミョウ……。それって“寿司屋のカウンターでワイン飲んでるオレが好き”って手合いがよくやるヤツじゃないの」
藤「私もそう思っていたんですけど『サンフランスシコ』で考えを改めました(詳しくはこちら)。寿司とワインでひとつの料理みたいに作っているので、お互いが運命の人みたいにガッチリマッチ。ペアリングの可能性に目から鱗です」
松「あら、そんな合うなら試してみたくなるわね」
肥「松田姐さんは、今回なにを担当されたんですか?」
松「駅ナカのチェーンよ。これが侮れない。大手ならではの仕入れの強みがあるからコスパがいいし、駅直結だから使い勝手抜群、どしゃ降りの雨でもへっちゃら。チェーンっていうと、ちょっと味気ない感じもするけど、大手町の『金沢まいもん寿司』なんて、九谷焼の器に富山湾の白エビとか11貫がズラリと並んで、優雅な時間が過ごせたなあ(詳しくはこちら)」
菜「ちょこっとつまんでサクッと帰るってこともできるしね」
肥「それそれ!最近オープンした新店を巡って思ったのが、ずばり気軽さ&多様性だよ」
戎「それこそ『すし其一』なんかは、2軒目で寿司を2〜3貫つまんで1杯飲んで、ってのもありですし(詳しくはこちら)」
肥「ここは間違いない!敷居の高さは一切なし。明るく健全な明朗会計、清々しい接客もいい。おまかせのラインナップも誌面で見た?安いのなんの。こういう店が家や職場の近くにあったらいいなあとホント心から思う」
戎「あとこれから増えそうなジャンルが“寿司居酒屋”かなと。実は大阪では数年前からブームになっていて、『すしやコトブキ』はそんな大阪・天満から関東初進出の店なんです」
肥「さすが味にも値段にもうるさい大阪人が認めるだけあった」
藤「あと寿司居酒屋はつまみのレベルが高いんです。『しゅん』のアジフライは、鮮度の良い肉厚のアジを使っていて、ごく短時間で揚げて外サク中フワ。寿司屋だからこそできるアジフライだなあと感動しました。このためだけにまた行きたいくらい」
味も大切。でも、もっと大切にしたいのが……
肥「そもそもの素材が寿司用のクオリティだから、調理しても抜群なんだよね。ところでいく子ちゃんの担当は“町寿司”だっけ、だいぶ苦労したみたいだけど?(笑)」
菜「そうなのよ!なんせ取材拒否連発だからね。常連さんだけで手いっぱいって店も多かった」
松「町寿司って一見で飛び込むの、勇気いるわよね」
菜「うん、チェーン店だとある程度、質とサービスが担保されているけど、個人店の町寿司だと行ってみるまで分からないしね」
松「怖い店主っていた?」
菜「それは意外となかったなあ。いい人ばかりだったよ。普通に。ただ、味も普通って店も多いところも難航した理由。色々リサーチした中で、キラリと光るものがあった&値段も納得の店を紹介したよ。奈々ちゃんに教えてもらった『健寿司』も最高!」
肥「でしょう。ネタもいいし、店の雰囲気も職人さんの佇まいもいい。町寿司の理想形だよね」
菜「あと『蛇の目鮨』も昭和の町寿司の風情で映画のセットみたいだった。店主と、そのお母さんの会話に加わっちゃうと、“私、ここの家の子になった?”ってくらいのアットホームさ。もちろんネタも仕事もいいよ。町寿司は職人さんや女将さんが、何かと構ってくれるからひとりでも寂しくない。ボッチに最適!(町寿司について、詳しくはこちら)」
戎「実は僕、リサーチでちょっと嫌な思いしちゃって。丸の内にある『F』って店なんですけど、最初に刺身を注文しようにも、それに対する反応がハナで笑われる感じというか。“え、何その注文の仕方?”みたいに感じたんです。だったら、もう少し提案してくれてもいいのにとも思いました。それに仲間の女性スタッフへの態度もあまりよくなくて、どうにも居心地が悪い。家族で行ったのにガッカリです」
藤「それは飯がまずくなるってやつですね」
戎「その経験が序盤にあったから、その後、どこへ行っても職人さんがやさしく感じられて、気持ちよく酔わせていただきました(笑)」
松「今回おと週としては珍しく、ちょっと高級なお店も紹介しているわよね。いつものプラス3千円でこんなに贅沢なつまみと握りが食べられるんだって、かなり幸せな気分になった〜(贅沢寿司について、詳しくはこちら)」
戎「そうなんです。日常使いからご褒美まで、これさえあれば寿司に困ることなしの一冊に仕上がっております。書店や美容室で手にとってくださっているそこのアナタ!ぜひお買い求めいただき、ご自宅の本棚で保存版にすることをおすすめしますよ」
文/菜々山いく子、撮影/沼沢善将(サンフランスシコ)、小島昇(コトブキ)、西崎進也(蛇の目鮨)
※2023年11月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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