旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:セリ
難易度:★★★☆☆
心も体も癒します
春の七草のひとつであるセリは数少ない日本原産の野菜。旬の時期は12から4月頃までとなっています。もともと湿地や水辺に自生する野草でした。栽培が開始されたのは江戸時代で、特に、冬にとれる葉物野菜が少ない東北地方などの寒さが厳しい地域では貴重な葉物野菜とされてきました。
正月の7日にいただく「七草がゆ」にもセリは欠かせない食材です。その理由は、セリの新芽がたくさん競り合って育つ様が競争や勝負ごとに競り勝つことを想起させることから縁起がよいためといわれています。
もちろん、栄養的にもお正月で疲れた胃腸を癒すことも取り入れられている理由。先人たちはセリの栄養効果を経験から感じていたのではないでしょうか。
セリの持ち味である風味がよくなるのが厳冬期。旬の時期には、香りやシャキシャキした食感が強くなります。
セリの主な産地は、宮城県と茨城県で、この2県で全体の生産数の半数以上を占めています。しかし、ほかにも京都府「京せり」や秋田県「三関せり」、島根県「黒田せり」など、せりを伝統野菜として栽培している地域は多くあります。
スーパーで根っこがしっかり付いているセリをよく見かけると思います。その根っこ、捨ててはもったいない! ほんのりとした甘みとほろ苦さがある根っこはとても美味なのです。また、美味しい出汁をとることもできます。
宮城県仙台の名物料理である「セリ鍋」は、葉や茎よりも根っこがメインといわれているほどです。仙台の名取市で採取されるセリは特に根っこが太く、セリ鍋に最適といわれています。