町中華の雰囲気もよし あんかけで温まろう! 戎「ボクたち今月は毎日そんな感じですよね。カメラマンの小島さんはひと月で体重5キロ増えて、100キロの壁を突破したって」 松「こんなところにも壁が(笑)。ところで池田さんは他に…
画像ギャラリー「おとなの週末」2024年2月号でラーメン特集を担当した編集・戎と、新店担当の松井、家系担当の菜々山、あんかけ担当の肥田木、そして各記事+朝ラー担当の池田によるライター陣が、調査や取材で食べに食べたラーメンについて欲望のままに語ります!
特製がグレードアップ これぞ欲望の一杯なり
戎「今年のラーメン特集では、“欲望”をテーマに置きました。ラーメンにはいろんな欲望がひそんでいると思いますが、それを満たしてくれる、どんな一杯に出合いましたか?じゃまず、編集部でラーメンといえばこの人、新店担当の松井さんからどうぞ」
松「今年、絶対ハズせないと思っていたのが、塩の『五感』と醤油の『there is ramen』の2軒。なんと取材と同じタイミングでビブグルマンを獲得!オープンしたばかりの頃から大好きな店だったからうれしかったな」
肥「そんなに旨いの?」
松「そう、まず『五感』はスープが極上。一級品の食材で丁寧に炊いてることが伝わってくるし、『there is ramen』は、麺が見えないほどチャーシューで満たされていて感動モノだよ」
菜「ひゃ〜、白飯も一緒に注文したくなる!」
松「そうなの!ついでに言うと、最近の傾向としては特製の豪華さが増してる。以前は味玉+チャーシュー増し程度だったのが、チャーシューも調理方法や部位の異なるものが3〜4種類、さらにはワンタンまであったりと超ゴージャス。ま、その分値段も高いけどね」
戎「ここぞとばかりに欲望を解放するなら、奮発して特製仕様ってことですな。あと今年はつけ麺の新店も話題性に富んでましたね」
松「麺のクオリティが爆上がりなわけよ!塩や昆布水だけで食べても完食しちゃうくらいの完成度で、つけ汁に行きつく前に麺がなくなりそうになって困る〜」
菜「へえ、どんな麺があった?」
松「独創的なのが『本田麺業』。もちちゅる、ふわふわの極太麺がインパクト大。スープも清湯でもパンチが効いてて相性抜群だったし、『ほたて日和』は麺をつけ汁につける前にカツオ塩やワサビ、ディルにトリュフオイルで味わうスタイル。もうフルコースを堪能したかのような満足感」
戎「食べ方も丁寧にレクチャーしてくれて、味はもちろんエンタメ性も人気の秘密かもですね」
池「『神儺祁』のカレールウ付きのつけ麺も新鮮&楽しかった。途中で麺にルウを和えるとそれだけでスパイシーな油そば的、さらにそれを魚介豚骨のつけ汁に合わせるというね……、これはぜひお試しいただきたい!」
菜「今やつけ麺ってそんなことになってんのね。ちなみに私が担当した家系も進化していたよ」
池「ほほう、どんな?オレみたいなおっさんは家系って聞くと、ちょっと二の足を踏んじゃう部分もあるにはあるけど」
菜「でしょう。家系=ヘビーっていうイメージじゃない?でも一昨年からちょっと様子が違ってて、既存の人気店が家系を新ブランドとして立ち上げてたパターンが続出。家系らしさは残しつつもライトや上品寄りに味をシフトしてて、うちらみたいな中年層には、それがちょうどいいんだよね」
戎「ボクもちょっと苦手だったんですよね。脂っこいイメージで。それが『こいけのいえけい』は完食&完飲でしたよ」
菜「だよね。あと『嚆矢』もすごい。黒豚の骨を炊いたスープはクセがなくておだやかだし、トッピングなんかもちゃ〜んと手が込んでいる。その分、値も張るけどね。手頃な店が多い家系で1300円。でも納得の味だよ」
戎「ラーメンが千円の壁を越すとか越さないとか言ってたのが、昔のことのようです。その分、素材も手間も追求していますが」
松「やっぱ家系だとライスも注文しちゃう派?」
菜「当然でしょ。スープ、麺、ライスのループだよ。ついでにニンニクも使っちゃう。高めのカロリーも塩分も口臭も無視して、今日はとことん楽しむぞって心を決めて行く。それが家系」
肥「そうだそうだ、たまにはそんな日があってもいい!」
町中華の雰囲気もよし あんかけで温まろう!
戎「ボクたち今月は毎日そんな感じですよね。カメラマンの小島さんはひと月で体重5キロ増えて、100キロの壁を突破したって」
松「こんなところにも壁が(笑)。ところで池田さんは他に何を?」
池「オレは朝ラーメンも巡ってた」
松「朝ラーは背徳感たっぷりね」
池「でしょう。特に東京駅とその周りは朝ラー天国。八重洲側の東京ラーメンストリートと東京ラーメン横丁はじめ、駅構内、駅外の高架下まで。しかも、いろんなタイプのラーメンが揃ってるから、日替わりであれこれ行くのもあり。
『そらのいろ NIPPON』みたいに軽やかな味を選ぶもよし、『雷』でガッツリいくもよし。朝ラーは身体の全細胞のヨロコビを感じるぜ!
あと町中華を中心としたあんかけラーメンも少々。鉄鍋を振って炒める技が加わるところがポイントだね。野菜はシャキシャキ、スープはとろろん&熱々。今回の取材であんかけの魅力にハマったわ〜」
肥「私も!改めて冬はあんかけいいねと思ったよ。とにかくスープ(餡)が冷めにくくて、食べ終わるまでずっと熱い。ホント身体が芯からあったまる。町中華の風情もいいんだよね。やさしいおじいちゃんおばあちゃん、夫婦や家族が切り盛りしている店なんかだと最高。ただ“家族でやっているので忙しくなると……”と取材NGの嵐に心が折れたよ。ぐすん」
菜「元気を出して!ほら、あんかけ好きの私に取材を受けてくれた素敵なお店を教えてごらん」
肥「うん、まずはね『寿福』。町中華なのに行列で、ホント毎日忙しいにもかかわらず取材を受けてくれて泣いたよ。味噌とか調味料も手作りで手間を惜しまない姿勢も味も素晴らしい!それと『中華タカノ』や『中華や』も店主の心意気を感じる味。2軒とも変に凝ってなくてシンプルにおいしく、お客さん第一の姿勢がかっこいいんだよね」
菜「あと、私の好きな店も取材してくれたんだって?」
肥「そう『新珍味』ね。『ターロー麺』をはじめ『むしどり』とかこの店にしかないおいしさで気に入った!通し営業だから1日中ココで飲んだくれていたい」
戎「旨いつまみで酒を飲んでからの〆ラーメン。それが肥田木さんの欲望の満たし方なんですね」
肥「まあね、でもそれだけじゃなくて、町中華は雰囲気も含め食べ終わった後に“は~、幸せ~”と思える多幸感があるといいな」
戎「みなさん、それぞれ担当していただいたジャンルで、十分に欲望を満たしてもらったようですね。読者のみなさんも、ぜひ欲望をフルスロットルで解放して、気になる一杯(特に特製)を召し上がっていただきたいです!」
撮影/西崎進也(本田麺業)、浅沼ノア(寿福)、小島昇(利休)、文/菜々山いく子
※2024年2月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。