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今、パティシエや私たちがチョコを通してできること

前ページの通り、ベルギーにとって、チョコレートは歴史であり文化でもある。地球の危機に際して、チョコレートとの付き合い方も変わってきている。

例えば前編で紹介した、佐々木さんたちが「ベルギーチョコレートアワード2023」で優勝を勝ち取った「デグベール デュ カカオ」(4粒・4320円※店頭・ECサイト共に完売)には、カカオパルプが使われている。このカカオパルプはかつて、チョコレートを製造する上では不要なものとして捨てられていた。

「近年、こういうものを利用するという流れが出てきています。カカオパルプを加えることによって酸味が出て、実はチョコレートの風味がより増すということを自分自身も感じています」

カカオの種を包んでいる白い部分がカカオパルプ。爽やかな甘酸っぱさがある
カカオの種を包んでいる白い部分がカカオパルプ。爽やかな甘酸っぱさがある

味を追求しつつも、このように原材料を無駄にしないこと、廃棄するものを減らすことは大切である。さらに地産地消による環境負荷の軽減といった潮流が世界的にあるようだ。

「デグベール デュ カカオ」(4粒・4320円)。楕円型のミニカボスの中にカカオパルプが入っている
「デグベール デュ カカオ」(4粒・4320円)。楕円型のミニカボスの中にカカオパルプが入っている

なお、「デグベール デュ カカオ」には、日本産のユズや山椒が使用されている。これは佐々木さんが日本人だということも関係しているのだろうか。

「日本から入手できるものに関しては極力使うようにしていますが、ヨーロッパの生クリームなど現地で調達できるものも使用します。

『エピス』と呼ばれる香辛料類は、ヨーロッパ人が好きなんですね。こういう個性のある味はチョコレートの油脂と合うと思います。ただし、個性を出しすぎてしまうとチョコレートと反発するのでバランスを考えながら作っています」

なるほど。近年、スパイス類が入ったチョコレートを見かけることも多々ある。確かに合うと感じる。地元の食材を使うことで、新たなチョコレートが生まれるという良い循環が起きているのだ。

また、我々消費者は可能な限りで構わないがカーボンニュートラルを意識したり、フェアトレードされたカカオを選ぶなどすることで、おいしいだけでなく、環境配慮を考える一助にもなるのではないだろうか。

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日本のチョコレート界をどう見ているのか...
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市村 幸妙
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