1994年当時は博多に1店舗、39年後には15カ国279店舗と大躍進
現在15カ国279店舗(2023年9月現在)を構える一風堂グループですが、ラーメン博物館に出店した1994年は、一風堂としては博多の大名本店1店舗しかありませんでした。
「そうは言ってもそんなにお客さんが来るとは思っていませんでした。また、ラーメンを食べるのに入場料がかかるという点も、岩岡さんに何度も考え直してほしいと懇願しました」
そんな状況だったため、河原さんは一番弟子の中坪正勝さん(現「麺の坊 砦」店主)を連れて、現地でアルバイトを募集し、1週間くらいで福岡に帰るつもりだったようです。
しかし、オープンすると想定をはるかに超えるお客さんが来ました。
福岡に戻れたのは半年後
「僕のラーメンは当時27時間くらいかけてスープを取っていたので、あっという間にスープがなくなり、お店を一時休業して、閉館後もずっとスープを取り、またなくなったらまた店を一時休業するという日々がずっと続きました。だから僕はホテルには帰らず、ずっとラーメン博物館にいました。結局、福岡に帰れたのは半年後でした。まぁ忙しかったです」
当時のことについて岩岡は「せっかく(オンライン・セキュリティシステムの)セコム(SECOM)に入ったのですが、ずっと河原さんがいたので、セコムをセットする必要がありませんでした(笑)。また当時は火曜日を定休日にする予定でしたが、河原さんから“なんで定休日なんて作るんだ!必要ない”と言われ、最初の火曜日は営業したのですが、河原さんから“岩岡ごめん、やっぱり定休日が必要だ”と言われ、翌週から火曜日を定休日にしました(笑)」
さまざまなメニューが登場する“一風堂クロニクル”
あの銘店をもう一度“94年組”の第6弾としてご出店いただく「一風堂1994」。“94年組”のコンセプトは1994年当時の味を再現するというもので、出店当時は一風堂の代名詞である“白丸”、“赤丸”が誕生する前の味を披露していただきます。
さらに今年39年目に突入した「一風堂」ですが、39年を「Thank you」ととらえ、これまでの感謝と共に一風堂の歴史の中でエポックメイキングとなったメニューを歴史と共に振り返る“一風堂クロニクル”というテーマを付加し、約3カ月の期間の中で様々なメニューが復活します。詳細スケジュールに関しては、SNS等で随時発信してまいります。