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プレリュードを撃沈

シルビアの最大のライバルが3代目プレリュード

S13シルビアは当時でも貴重だったFR(後輪駆動)で登場。またまたFR心棒者の話か、と侮るなかれ。

S13シルビアが登場した1988年の状況を見ると、S13シルビア登場の前年の1987年にフルモデルチェンジした3代目プレリュードは当然FF(前輪駆動)だし、トヨタセリカも1985年に登場した4代目でFF化された。さらにひとクラス下のトヨタカローラレビン/トレノも1987年に登場した5代目(AE92)でFFとなってしまったため、手頃なFRクーペはS13シルビアだけだったのだ。

シルビアの直接ライバルは、前に挙げた3代目プレリュード、4代目セリカで、デザインはどのモデルも評価が高く、S13シルビアの流麗さが好きな人もいれば、プレリュードのシャープでスッキリした感じが好きな人もいたし、セリカの龍面形の美しさに心酔した人もいた。しかしFRはS13しかない魅力だった。ここが重要だ。

2代目プレリュードの登場から1990年代初頭までは、長きにわたりデートカーが日本で燦然と輝いていたが、その主役はホンダプレリュードだった。しかし、美しいデートカーとしての魅力に、FRスポーツの魅力を加味したS13シルビアは、”走り屋需要”が加味された結果、王者プレリュードを駆逐する人気モデルとなったのだ。

では実際S13シルビアがどのくらい売れたのかを調べてみてビックリ。前述の不人気だったS12シルビアが約1万7500台(月販平均307台)だったのに対しS13シルビア約31万1000台(月販平均4785台)で、なんと18倍弱!! と飛躍的に販売を伸ばした。

では対ライバルはどうか? S13シルビアが最も売れたのがデビュー翌年で8万1200台(月販平均6767台)の数字と比べてみると、同じ年にプレリュードは4万1659台、セリカは1万1997台と大差をつけている。さらにこの差は年々広がりS13シルビアがデートカーマーケットを席巻したのだ。

それまで、右へ倣えのように女子大生はプレリュード好きを公言していたが、S13シルビアが登場したら掌返し。当時大学生の私も、女性の気移りの恐ろしさを痛感したものだ。

自動車雑誌『ベストカー』1988年7月10日号の企画誌面。女子大生はシルビア派だった!!
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逸話がいっぱいある!!...
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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