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伊藤かずえさんの初代シーマの修復費は2000万円級!?

初代シーマと言えば女優の伊藤かずえさん。1990年に新車で購入して34年後の現在も愛車として乗り続けている猛者だ。2021年には日産の協力のもとフルレストア(修復)。その完成お披露目が日産の銀座4丁目のショールーム『NISSAN CROSSING』で開催され、私ではないがベストカー編集部員も取材に行った。そしてその車両はその後展示され一般にもお披露目されたのでご覧になった方もいるかと思う。

2021年にNISSAN CROSSINGで公開された伊藤かずえさんのシーマ

2021年当時、伊藤さんは新車で購入後30年間、約27万km走ったとコメントされていたが、伊藤さんの初代シーマは内外装、エンジン、足回りなどを完全にレストアして新車のようにピカピカ!! 個人でこのレベルに仕上げるのにはパーツ代だけで500万円くらい、工賃を入れたら2000万円級!? と下世話なことを考えてしまったが、旧車のレストアはお金がかかるのだ。

エンジンもフルレストアを受けご満悦の伊藤さん

中古車は購入後に注意が必要!!

古い日本の中古車が軒並み相場上昇していて、初代シーマはその例に漏れず、今後高くなっても安くなる見込みは小さい。販売台数は多かったが初年度モデルだと36年が経過して古いためタマ数も多くはない。相場は一部のモデルを除いて200万円弱から400万円といったところ。中古車の常でしっかり手を入れたものは高く、現状販売なら安い。

注意すべき点は、乗り心地が柔らかいエアサス搭載モデル。エア抜けなどのトラブルが出やすく、修理するのは30万円程度かかるというので、信頼できる店を探す、または、エアサスではない初代シーマのコイルスプリングに交換するなどがオススメだ。

中古車では修理費が高いエアサスのトラブルに注意したい

高性能に舵を切ったパイオニア

という感じで、初代シーマについて振り返ってみたが、このクルマはバブルの絶頂から崩壊のすべてを見てきたクルマだ。初代シーマ登場後に、日本の高級車は初代トヨタセルシオの登場で飛躍的にレベルを上げた。スポーツモデルにしても一気に高性能化が進んだ。そういった意味では、初代シーマは日本車の高性能化へ舵を切ったパイオニアといえるかもしれない。

そのシーマも紆余曲折を経て、2022年8月に5代目モデルが生産終了となり初代から数えて34年でモデル終了となったのは寂しい限りだ。

2022年8月に生産終了した5代目シーマ。高級車としての存在感が薄く販売面でも苦戦していたため致し方ないが残念

【初代シーマタイプIIリミテッド主要諸元】
全長4890×全幅1770×全高1380mm
ホイールベース:2735mm
車重:1670kg
エンジン:2960cc、V型6気筒DOHCターボ
最高出力:255ps/6000rpm
最大トルク:35.0kgm/3200rpm
価格:510万円(4AT)

【豆知識】
8代目クラウンは初代シーマ登場の前年の1987年にデビュー。ハイソカーブームで人気の高かった7代目を踏襲するキープコンセプトで登場。初代シーマの登場によりかなり追い上げられたイメージが強いが、最終的にはシーマのデビュー初年度を含め累計でもシーマの販売を凌駕。1989年のマイナーチェンジでは、初代セルシオよりも先に4L、V8DOHCエンジンを搭載された。1989年に初代セルシオがデビューした後も高級セダンとして人気を誇った。

日本の高級車の王道といえる8代目クラウン。初代シーマの脅威にさらされたが販売力でカバー。初代セルシオ登場後も不動の人気

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/NISSAN、TOYOTA、BMW、ベストカー

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市原 信幸
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