制作現場におけるロケ弁の重要性とは
さて、テレビの現場におけるロケ弁との付き合い方というのは、どういうものなのだろうか。
稲田さん:「番組にもよりますが、基本的にはADさんやAP(アシスタントプロデューサー)さんがロケ弁を発注することが多く、最初に行う重要な仕事といえます。その後のテレビマン人生が変わるくらいの影響力がロケ弁発注にはあると言っても過言ではありません。そんな場面は見たことがありませんが、万が一弁当の発注を忘れでもしたら、その現場は地獄と化すでしょう」
制作現場におけるロケ弁の重要性が伝わってくるお話だ。
稲田さん:「人によってこだわりもそれぞれ。例えば、ある芸人さんがメインMCだからその方が好きなお弁当とか、歯に付くことを気にされるタレントさんがいるから海苔弁はやめておこうとか。
ドラマなどの現場では体型を気にされている俳優さんやスタイリストさんなど女性のスタッフが多いことも。そんな時は、野菜が豊富なお弁当を選んだり、パッケージのかわいさなどでテンションを上げていったりということも。
女優さんが『わたし、このお弁当好き』なんて言ってくれたら最上級の喜びですね。コンセプトからこだわっている番組では、ロケ弁からすでに世界観を作っているケースもあります」
日本ロケ弁大賞の協賛企業、株式会社くるめしの執行役員で、マーケティンググループグループ長の永澤雄さんは、ロケ弁ならではの事情について、次のように話す。
永澤さん:「朝の4時や5時にロケバスが出発することもあるので、早朝ロケでも配達してくれるということも重要です」
いざとなったらコンビニがあるじゃないかと思うが、稲田さんによると、“手作り感”が重要とのこと。今回いただいたお弁当たちのそれぞれは、確かに手作りならではの美味しさが詰まっていた。コンビニも充分美味しいが、大量生産の商品とは違うところに魅力を感じてしまうのだろう。