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美味しさの裏にある心遣い

入賞したロケ弁については、共通項があるという。

稲田さん:「カレーなら『オーベルジーヌ』、中華は『喜山飯店』、『とんかつまい泉』だったらヒレかつサンドなど、店名と商品がつながってパッと思い浮かべられるのは強みです」

『とんかつまい泉』(本社:東京・神宮前)は、ヒレカツサンド(453円)で金賞。首都圏を中心に、デパ地下などの売り場で人気だ。

稲田さん、永澤さん:「肉と魚の両方を頼んでおくことも重要。内容の異なるお弁当を用意して選べるというだけでなく、食べられない人がいないことも大切です」

今回は、お魚がメインのお弁当が多いことが印象的だった。世間では魚離れなんて言われるが、ロケ弁で好まれている理由は何だろうか。

永澤さん:「一般のグルメ相場と異なることに驚きました。もちろん『とんかつまい泉』のヒレかつサンドなど、冷めても美味しいお肉のお弁当はありますが、一般的に肉は脂が浮いたり硬くなったりしがちです。魚なら食べ飽きないし、冷めても美味しいことが要因でしょうか。(これなら)偉い人にも怒られなさそうですしね(笑)」

「小さなことですが」と断ったうえで、稲田さんが教えてくれたのが「1個1個のお弁当にキチンと箸が同封されているなど、ちょっとした気遣いが見えるお弁当はうれしい」ということ。

制作現場で偉い人が、いざお弁当を食べようとしたら箸が見当たらず、スタッフさんへ怒号が飛んでいる様子を想像してしまった(あくまでも想像です…)。慌ただしい現場にとっては大切なことかも。料理の美味しさはもちろん、食べる際のちょっとした心遣いも求められるのがロケ弁の世界なのか。

それからロケ弁といえば、駆け出しの芸人さんやADさんが余ったお弁当を持ち帰るなんて話を聞いたことがある。

稲田さん:「ADの時はお金もないですし、残っていたお弁当を食べるという感じです。疲れてくたくた、お腹ペコペコでようやく食べられた時のお弁当の美味しさったらなかったですね。収録が長丁場になることもありますし、編集などをしていて睡眠がとれないこともある中で、美味しいお弁当があったら頑張れます。人によっては毎日食べることもありますから、ロケ弁で元気になれるということは大事だと思います」

「楽屋に入ってまずみんながチェックするのは弁当だったりします」

こう稲田さんが話す通り、みんなやっぱり食べることが、そしてロケ弁が好きなんだなぁ。

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次に来るロケ弁はコレ!...
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市村 幸妙
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