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お茶をはじめ日本文化を体感する至福『松葉屋茶寮』@表参道

盆栽が出迎える、ほの暗い店内。場所は青山の骨董通り沿い。えっ、敷居が高そう?でも、ひとたび足を踏み入れると、静かな癒しと心地いい時が待っているのでご安心を。

「日本文化の拠点に」と、昨年幕を開けた同店。盆栽アーティスト集団による週替わりの盆栽や美術工芸品に囲まれ、陽光の移ろいを感じながら厳選されたお茶がいただける。お茶は常時8~10種。すべて国産の無農薬・有機栽培だ。

氷出し玉露 2800円

『松葉屋茶寮』氷出し玉露 2800円 まろやかな旨みと余韻もまたいい

夏のおすすめは滋賀県・政所(まんどころ)の希少な「氷出し玉露」。玉露の茶葉の上に氷をのせ、その溶けていく様子を楽しみつつ……気長に25分待つ。ゆっくりじっくり、旨みだけを抽出するためだ。

こうしていただくお猪口1杯分の玉露は渋みがなく、なんとまろやかで甘いことよ!まるで青海苔のような香りと旨みに驚き、次の瞬間、陶然となる。

茶葉はもとより、現代作家の茶器、店の上階で作る菓子に使う季節の果物ひとつをとっても、徹底するのは、生産者の顔が見えること。2種のお茶とそのペアリングのお菓子2種を選べる「ニ茶二菓」(4000円)などで、店の真髄を味わってみてもいい。

『松葉屋茶寮』『TRADMAN’S BONSAI』による盆栽が印象的な空間

[住所]東京都港区南青山5-4-27 Barbizon104 1階
[電話]070-4441-9857
[営業時間]10時~20時
[休日]不定休
[交通]地下鉄銀座線ほか表参道駅B3出口から徒歩8分

ハーブや果実も取り入れた季節茶を味わう『逗子茶寮 凛堂』@逗子

涼やかな白い暖簾をくぐると店内は香ばしいお茶の香りに包まれていた。昼は茶房、夜はバーとして営業するこの店の店主・山本睦希さんは、“茶淹れ”を競う『淹茶(えんちゃ)選手権2023』で最優秀賞に選ばれた。バーテンダーやソムリエの経験もあり、お茶のポテンシャルを引き出すアプローチにもそのバックボーンを感じさせる。

生産者から直接買い付けるという茶葉は、扱う前に必ず産地を訪ね、その土地や作り手の人柄を知ることを欠かさない。それはお茶のテロワールをまるごと表現したいという気持ちからだ。

ブレンド 菓子付き 1870円

『逗子茶寮 凛堂』ブレンド 菓子付き 1870円 季節によって内容を変えるブレンド茶

ここでは二十四節気になぞらえて変わる季節のお茶をぜひ味わいたい。この日の「ブレンド」は微発酵のみなみさやかにカモミールと月見草を合わせていた。軽やかだが複雑な味わいはまるで白ワインのようだ。

驚いたのはトマトを使う「旬果茶」。日本茶用ドリッパーで落としたお茶にトマトの風味をまとわせ、何ともいえない華やかな液体が生まれた。7月には白桃と玉露の組み合わせになるというからそちらも期待が膨らむ。ここならではのお茶を味わえば、新しい日本茶の世界が開けそうだ。

『逗子茶寮 凛堂』

[住所]神奈川県逗子市逗子5-1-12 カサハラビル逗子2階
[電話]046-870-3730
[営業時間]茶寮:12時~16時半(16時LO)、BAR:17時半~24時(23時半LO)
[休日]不定休
[交通]京浜急行逗子・葉山駅北口から徒歩1分、JR横須賀線逗子駅東口から徒歩2分

撮影/西崎進也、取材/白鳥紀久子

2024年8月号

※2024年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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