料理の腕を磨かれ、手作りのお弁当を持って職場に通う
大学を卒業されると、紀宮さまは山階鳥類研究所に非常勤の研究助手として勤務されるようになった。紀宮さまはご自分で作ったお弁当を持って職場に通い、昼時になると同僚の人たちと一緒に楽しく歓談しながら食事されていたという。お弁当用に炊いたご飯が残ると、大膳で冷凍しておいて数日後にチャーハンになって食卓に上ることもあった。
その後、料理の腕を磨かれた紀宮さまは、和洋中のすべての料理を作られるまでになったという。やがて幼ななじみの黒田慶樹さんとご結婚され、黒田清子さんとなった。「残り物を工夫しておいしく食べる」「食材を無駄にせず、ごみを出さない」という美智子さまの教えを守り、日々の工夫を楽しみながら、おいしい家庭料理を作られていることだろう。(連載「天皇家の食卓」第23回)
参考文献/『天皇家の姫君たち 明治から平成・女性皇族の素顔』(渡辺みどり著、文春文庫)、『宮中 季節のお料理』(宮内庁監修、扶桑社)、『陛下、お味はいかがでしょう。「天皇の料理番」の絵日記』(工藤極著、徳間書店)
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文・写真/高木香織
たかぎ・かおり。出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。