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研究者として、そして地域の一員としての挑戦

カエルの研究の場としても最高の環境にいると考えているそうで……

休場:今は家のことに時間を取られることが多く、なかなか研究に注力ができていないのですが、ライフワークであるカエルの保全については、やろうとするなら環境としては良い場所だと思います。例えば、カエルにやさしい稲作、農耕ってなんだろうとか。カエルにとって環境が良くなるだけではなく、人間とカエルが共に恵まれた環境であることがベストなんです。私は研究者ではありますけど、その研究の結果を現場で実践する側の人になりたいと。それがここならできると思っています。

庭先にはいつも何某かのカエルがやってきている

移住の先輩を師に、この秋から狩猟メンバーにもなるそう。

休場:この集落に大分市から来られた移住の先輩がいるんです。定年を迎えて移住されてきたそうです。農耕をされていますが、獣害に悩まれていました。日本国中、どこの里山も獣害がひどくなっていて、畑が荒らされてしまうということで、狩猟免許を取得し罠を仕掛け、猪などを捕獲しています。私もこれからのことを考えつつ、やってみようかと。これも新たな挑戦ですが、里山の自然保護につながっていくものと思っています。

狩猟の師匠である利根敬二さん。大分市からの移住者であり、移住の先輩としても慕っている
休場さんも狩猟免許も取得し今年から狩猟に参加

移住は「受け継ぐこと」、ただいま・おかえりが言える故郷にすること

休場さんにとっての移住とは……を伺ってみると

休場:私にとっての移住とは「受け継ぐこと」ですね。ただ移動するのではなく、その土地の歴史や文化を知って中に入っていくこと。その土地のコミュニティ、暮らしの中に入っていき、すべて受け入れ、また受け入れられた上で、ただいま、おかえりと言えることが移住なのではないかと思います。そこにこそ移住した価値があると。私の研究で言えば里山の復活、そして、それを次代に繋げていくことになりますね。

仕事の関係で東京などへ行くこともあるそうだが、東京から帰ってくると体が実感するという。「ここは良いなぁ」という温もりのような感触。一目惚れからはや1年、ますます好きになっていく豊後大野の里山暮らしで、休場さんは人も含めた自然との共存共栄を目指す。とにかく頭の中、机上だけで終わらせたくない、実践あるのみ……と語る彼女の目は、ここで生きていこうという強い信念に満たされている。

■『おんせん県おおいたの転職なき移住情報サイト』https://oita-tenshokunaki-iju.jp/

写真:奥田正治
編集、執筆:エディトリアルストア
※情報は令和6年11月19日現在のものです。
※敬称略

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おとなの週末Web編集部
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