オールシーズンタイヤの使い勝手は?
オールシーズンタイヤを使った印象は、サマーとスタッドレスの中間というよりも前者に近い。舗装路で使うなら、カーブを曲がる時にタイヤが歪むような走り方をしない限り、不満は生じない。
注意を要するのは冬季の悪天候だ。平坦な道の圧雪路面やシャーベット路面なら、注意深く運転すれば問題ないが、凍結路面になるとグリップ性能が一気に下がる。また圧雪路面やシャーベット路面でも、急な登り坂になると、グリップ力はスタッドレスタイヤを下まわる。
最近はオールシーズンタイヤの性能も向上したが、積雪量が多く気温の低い地域には推奨できない。冬に積雪量の多い地域に出かけるユーザーにも適さない。降雪量が少なく除雪されやすい都市部に住んでいて、さほど遠くない外出先で降雪に見舞われた時、なるべく平坦なルートを通って帰宅する。
オールシーズンタイヤは、このような使い方に適している。スタッドレスタイヤの代わりにはならない。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
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