旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■彩野菜としても
正解:かき菜
難易度:★★★★☆
苦味が苦手な人にも
かき菜は、アブラナ科アブラナ属に属する野菜です。
地域によっては「宮内菜」「芯切菜」とも呼ばれ、おもに関東地方で栽培されています。特に、群馬県館林市や栃木県足利市、佐野市などでは古くから栽培されている伝統野菜です。
その歴史は古く、「佐野の茎立(くくたち)」として万葉集にも登場しているほどです。
茎の部分を手で欠いて収穫することからその名前がつけられたといわれています。
冬から春にかけてが旬の冬野菜で、11月頃から収穫が本格化します。
霜に当たったかき菜は甘みが強くなることから、寒さが厳しくなる1月から2月頃に収穫されたものがもっとも美味しくいただける時期といえます。
ただし、本来、かき菜がぐんぐん成長するのは3~4月頃。そのため、「春を呼ぶ野菜」とも呼ばれています。
アブラナ科の野菜のなかでは苦味は少なめで、甘みが強め。それでいて、菜の花のような香りと風味をもつことが特徴です。茎のシャキシャキとした食感も魅力のひとつです。
クセがないため、和え物、炒め物、天ぷらやおひたし、みそ汁の具など、さまざまな料理に使うことができます。
菜の花の仲間ですが、見た目は茎も細く、葉も硬く、色も菜の花とは異なり深い緑色です。しかし、加熱するとやわらかく、鮮やかな美しい緑色に変わります。そのため、彩り野菜としてもぴったり。
ただし、加熱しすぎると色が悪くなってしまうため、サッと火を通す程度にしましょう。ちなみに、生では硬くて食べられないので、加熱調理が必要です。