いったいひと夏に何粒食べているのか?
例年、日本で生産される枝豆の出荷量はおおよそ6000~7000t(トン)で、その60%近くが盛夏の7月と8月に出荷されています。6月~9月でカウントすると、全生産量の89%が夏から秋の、気温の高い時期の出荷となっています(「農林水産省食料需給表」からの推計)。
夏場に枝豆が求められていることがわかりますが、「t=トン」ではいまいち、イメージできないと思います。そこで、オイラは仮説を立ててみました。枝豆好きのわが国民は、ひと夏になん粒くらい枝豆を食べているのか?
前人未到の推計値かなと思います。あらゆる統計を調べましたが、当然ありません。そこで、オイラが実際に数えたうえで推計してみました。はい、ヒマ人です。
一般的な枝豆の袋詰め1袋には250g前後が入っています。その1袋にある枝豆のサヤ(55~56サヤ)の中の豆は、だいたい2~3粒で、合計すると140~150粒でした。これは、群馬県産のブランド枝豆「豆王」(JAぐんま)1袋250g前後入りを5袋ほど実測しての1袋あたりの数値です。1kgだと560~600粒となるのです。
仮に1年に6000tの枝豆が消費されているとしましょう。そのうちの89%が夏に食べられているわけですから5340t=534万kgとなります。これは、枝豆の総粒数にして、じつに29億9040万粒~32億400万粒となるのです。総務省によれば、6月段階の日本の人口は1億2493万人ほどでしたので、つまり、「国民1人あたり、夏場に最大25.6粒の枝豆を食べている」ということになります。「想像以上に食べているな」という実感です。
文・写真/沢田浩
さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。
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