「酔っ払いガニをたくさん仕込むんだヨ」
舞台は学芸大学駅の名物中華。話は中国を代表する秋冬の味覚、上海ガニの巻である。そもそも小林さんの味は他にはない料理が多いのだが、秋から冬にかけて登場する高級食材なら上海ガニ。中国から週2回届くそれは例年10月~12月中旬頃まで提供される。
日本では珍しいこともあって短い期間中に3~4回食べに来る人もいるとか。活きたまま蒸籠で調理する姿蒸しの他、紹興酒に漬け込んだ「酔っ払いガニ」もあり、こちらの提供は1月頃まで。
実はですね、このカニエキスがたっぷり溶け込んだ紹興酒を炒め物などの隠し味に使うそうで、「エキス入り紹興酒は数々の料理に必要だから、「酔っ払いガニをたくさん仕込むんだヨ」。
例えば「芽キャベツとエビ炒め」。静岡産の芽キャベツをプリプリのエビと一緒に炒めるのだが、その時に例の紹興酒と南高梅のエキスをひと回し。両者が味に風味と奥行きを出す。お見事です。
芽キャベツとエビ炒め 2500円