週4日はワサビ農家、金土日はラーメン店
店主の海老名東人さんは、現在本店のある伊豆市の生まれで、実家は100年以上続く、ワサビ農家。海老名さんで五代目にあたります。サラリーマンを経て和食店で働いた後、1994年、静岡県沼津市でカレー専門店「あまからや」をオープン。スパイスをラーメンに取り入れた原点はここにあります。
1999年、「ラーメン登竜門」の開催を知った海老名さんは、「今までの既成概念にとらわれない新しい発想発掘の場」というテーマを知り、「スパイスを使ったラーメンで勝負したらおもしろいのでは」と思い立ち応募したとのことです。優勝後、沼津の店にはラーメンを求めるお客さまの声が多く寄せられ、カレー専門店から、「カレーとラーメンのお店」として生まれ変わりました。
その後、2002年には横浜・あざみ野(横浜市青葉区)にも店舗を構えましたが、2005年に閉じ、いったん「あまからや」の歴史は途絶えました。しかしそれから10年がたった2015年、どうしてもあきらめきれなかった海老名さんは、実家の古民家で「あまからや」を再オープンしました。
月曜日から木曜日までは家業であるワサビ農家として働き、金曜日から日曜日は4時間のみ、「あまからや」として営業しています。伊豆本店は、自然豊かな里山の中でひっそりと営業しておりますが、週末はあまからやのラーメンを求め県外からもお客さまが訪れます。
10種類のスパイスで作る「スパイス醤油ダレ」
看板メニューの「スパイス醤油ラーメン」は、「ラーメン登竜門」で優勝を獲得したメニューで、現在も進化を遂げております。決め手となる「スパイス」は、独自にブレンドしたもの。10種類のスパイスをダシと醤油に加え、手間ひまかけて「スパイス醤油ダレ」が完成します。カレー専門店出身の海老名さんならではの調合です。
スープは鶏と昆布、魚介類の旨みを丁寧に抽出したもの。麺は国産小麦「ゆめちから」100%で打つ、もちもちとしてコシのある麺を使用。具材は肩ロースのチャーシュー、タマネギのマリネ、生タマネギ、メンマ、煮玉子、水菜と具だくさんです。また、本店では、ワサビで食べる塩つけ麺のほか、欧風カレー、伊豆鹿キーマカレー……といった本格的なカレーメニューも食べられます。