★環境・エネルギー
株式会社IHIは、外壁自体がスクリーンになっている立方体形の展示。中に入ると「不思議な空飛ぶキューブ」に乗って、海の中から宇宙、そしてミクロの世界を駆け抜ける映像が体験できます。
三方をスクリーンに囲まれたキューブの内部の映像は迫力があり、想像以上の没入感が魅力です。
★ものづくり・まちづくり
「“未来の豊かさ”を創造する力」がテーマの株式会社神戸製鋼所の展示は、つい見入ってしまう複数の展示で目を引きます。特に目立つのが、ほぼ360度で映像を出力する球体モニター。
未来の都市生活など、KOBELCOの製品が活躍する街をイメージした俯瞰映像など、ずっと見ていても飽きない魅力があります。
精巧な機械仕掛けと映像を組み合わせて表現した斬新なボールコースターもついつい凝視。
下にいる人の動きをセンサーで読み取って光が飛散するような画像が変化する壁面も意外な楽しさがあって好評でした。
水陸両用ブルドーザーから進化した水中施工ロボットのコンセプトモデルを展示しているのは青木あすなろ建設株式会社と株式会社小松製作所。防災や自然再生などで活躍が期待される、未来の水中工事の世界を迫力のある巨大映像と共に伝えます。
★食と農
Hall Cでも最大のスペースとなっているのが「未来につづく、地球と人にやさしいプラネタリーコンシャスな“食と農業”へ」がコンセプトの株式会社クボタ。全幅20m超の天幕スクリーンと横に長い巨大LEDモニターが大きな特徴です。
ドラマ『下町ロケット』の無人トラクターのシーンに協力したクボタが、こちらの展示でさらなる進化を見せてくれます。
こちらに展示されているのが、農業や様々なフィールドにおいて求められる各種作業を完全無人で実現する未来のプラットフォームロボット。その作業中のイメージシーンも背景にある横長なモニターに写し出しています。
上の写真は、4本の脚を柔軟に曲げ伸ばしすることで、果樹園などの傾斜地や凹凸のある地形でも機体を水平に保ちながらの移動が可能な「Type:S」。
大型で、農作物の間隔や生育状況、作業内容に応じて車体の高さや幅などをトランスフォーム(変形)することができ、田植えなどの現場での活躍が期待できる「Type:V」。
展示エリアの中央では、「食と農業」をテーマにしたシミュレーションゲームがスタンバイ。一度に9人がプレイでき、野菜や果実など、それぞれが育てたいものから選択していき、さまざまな判断をすることで、未来の農家を疑似体験できます。
ホール同士をつなぐ、コリドールのベンチにCO2を吸収するコンクリートを使うなど、未来社会を想像させてくれるパビリオンになっていました。
各ブースのスタッフ解説などを聞きながら、観たり、体験するたびに「へぇ~」「はぁ~」「すごいですね~」を連発。車好きが東京モーターショーで人気メーカーのコンセプトカーを見たような感じでした。すべてがすぐに実現するものではないのですが、2035年にこんな未来が来ればいいなと思わせてくれる展示が楽しめます。
■「EXPO 2025 大阪・関西万博」
[開催期間]2025年4月13日(日)〜10月13日(月)の184日間
[開場時間]9時〜22時
[開催場所]大阪・夢洲(ゆめしま)
[交通]Osaka Metro中央線夢洲駅すぐ
[公式サイト]https://www.expo2025.or.jp/
写真・文/高田 強