タキシードを着たライオン男
初代ハリアーと言えばそのTV CMも話題になった。キャッチフレーズは『WILD but FORMAL』(ワイルドだけどフォーマル)というもので、タキシードを着たライオン男が登場。高級ホテル、オフロード、市街地、空港などを舞台としたいくつものパターンのCMが流されていたが、冷静に見ると笑えるのだが、ハリアーのキャラクターを如実に表現していると高い評価を得ていた。ちなみに2代目ハリアーのCMはライオンではなく猫になっていた。
ハリアーの車名はタカ科の鳥のチュウヒが由来となっていて、それをモチーフとした固有のエンブレムが装着されてカッコよかったが、ワイルドさをアピールするためにCMはワイルドなライオン男だった。そのハリアーのチュウヒをモチーフとしたエンブレムも4代目の現行モデルでエクステリアからは消滅し、インテリアの刻印を残すだけとなりファンを悲しませた。
レクサスRX300
初代ハリアーは当時北米をはじめとする海外専売ブランドだったレクサスのモデルとしても開発されていた。セルシオがLS、アルテッツァがIS、ソアラがSC、アリストがGSとして販売されていたが、ハリアーは初のSUVとなるRX300として販売。
もちろん、初代ハリアーとレクサスRX300はまったく同じではなく、特に内装などは高級素材を使うなど差別化が図られていたが、北米でも人気モデルとなっていた。
トヨタは2005年8月から日本でレクサス車を販売開始。レクサスとトヨタでは同一モデルは販売しないというトヨタの方針により、惜しまれながらもセルシオ、アルテッツァ、アリスト、ソアラは日本のラインナップから姿を消した。
ハリアーもRXと同じということで消滅の危機にあったが、販売会社からの強い要望によりRXとは違うデザイン、エンジンラインナップの別グルマとして残った。その判断は正解で、ハリアーはトヨタブランドの人気SUVに君臨している。
ハリアーの変わり種
初代ハリアーは若者をターゲットとしてスポーティ感を演出したエアロ装着モデルを特別仕様車として設定するなど、商品構成も優れていた。
しかし変わり種も存在する。イタリアのカロッツェリアのザガートのエアロパーツを全身にまとったハリアーザガートで、デビューから約半年後の1998年6月に200限定で販売された。ベースとなったのは3L、V6エンジン搭載の3.0Gパッケージ(284万5000円)で、価格はベースプラス約80万円アップの363万5000円だった。
単なるエアロ装着モデルと違うのは、85mmワイドとなるブリスターフェンダー、ローダウンサス、専用アルミホイールなどを装着していたことで、コンプリートカーとして販売されていたのが凄い。日本車とザガート言えば、1987年に1780万円という価格で200限定販売されたオーテックザガートステルビオが有名だが、ハリアーにもザガートのコンプリートカーが存在したのだ。ちなみにハリアーザガートは2代目ハリアーにも設定されていた。