スタイリッシュなデザイン
高級クロスオーバーSUVの初代ハリアーは、6代目カムリ(XV20型)のプラットフォームを使って誕生。丸型2灯を組み込んだ大型ヘッドランプに縦桟グリルをあしらった押し出しの強いフロントマスク、張りのある力強い前後フェンダー、なだらかなルーフライン、リアクォーターピラーのガラスエリアなど、スタイリッシュなデザインが与えられていた。
トヨタは新たなジャンルのクルマを登場させる場合に、初代プリウスしかり、プログレしかりで奇をてらったフロントマスクを与えがちだが、初代ハリアーは万人受けするフロントマスクだったというのはヒットした大きな要因だと思う。
インテリアの満足度が激高
エクステリアデザイン以上に魅力的だったのがインテリア。初代ハリアーの豪華でスタイリッシュなインテリアはトヨタのフラッグシップのセルシオやトヨタの顔であり続けているクラウンとはひと味違うテイストで、スポーティさも持ち合わせていた。
シートは素材にこだわったファブリックを基本としていたが、オプションでは高級感を前面に打ち出したレザーも用意されていた。日本車はレザーシートが定着しなかったなか、レザーシートの魅力を一般ユーザーに訴求した功績は大きい。
グレードにより本木目調パネルとアルミ調素材を使い分けるなど、満足度はかなり高く、幅広い世代のユーザーから支持されていた。
エンジンは2タイプ
エンジンは2.2L、直4DOHCと3L、V6DOHCの2タイプが用意され、ベーシックエンジンの2.2L、直4でも動力性能に不満はなかったが、マイチェン後には余裕を与えるために2.4Lに排気量アップされた。
一方3L、V6はスムーズな回転フィール、3Lの排気量を活かしたフラットで太いトルクにより高速ツアラーとしても名をはせた。ハリアーは『高級セダンとSUVのクロスオーバー』というコンセプトどおり、実際に走ってみて特に高速道路での長距離移動では静粛性にも優れていて快適。空間的な余裕がありゆったりとしていて、しかもセダンよりも背が高く視界がいいため、渋滞時でもストレスは少ない。これは今でもSUVが人気の理由だ。