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創業1948年「やよいそば」のスープ、麺、具材

「やよいそば」の創業は1948年。現存する飛騨中華そば店では、2番目に古い老舗店となります。屋号「やよいそば」は、店のすぐそばにある「弥生橋」からきております。

1960年代の「やよいそば」の看板には“中華そば・とんかつ”とあり、メニューには、“中華そば(並盛・大盛・お子様)、とんかつ、ホットライス”の文字が書かれています。“ホットライス”はご飯のことですが、メニュー名がおもしろいですね。飛騨高山では、郷土料理である「漬物ステーキ」のように、極寒の冬に温かい食べ物がごちそうだったため、このようなメニュー名になったのではないかと考えられます。

「やよいそば」のスープは鶏ガラ、野菜を2時間ほど煮てから、鰹節を入れて30分煮込み、それから濾(こ)して醤油などで味付けして、さらに煮込みます。こうして醤油を加えて煮込むことにより、色みも濃い「やよいそば」独特のコクと旨みを兼ね備えたスープが完成します。

麺はもちろん自家製麺。全国的に見てもかなりめずらしい平打ち細ちぢれ麺。低加水のため、スープとの相性もよく、のど越しと歯切れがいいのも特徴です。

スープは鶏ガラ、野菜を2時間ほど煮てから鰹節を加えてさらに煮込む。そのうえで醤油を加えて煮込むことにより、色の濃い「やよいそば」独特のコクと旨みを兼ね備えたスープとなる

具材はシンプルでありながらそれぞれが役割を果たしております。昔ながらの中華そばに欠かせないメンマ、脂分の少ないスープに旨みを加えるバラチャーシュー、そして最大のポイントは11月~3月に旬を迎える飛騨の根深ネギ。ネギの成長にともない土をかぶせていくため、日光が当たらない分、白い部分が長くなり、青い部分が短くなります。甘みがありやわらかく、「やよいそば」の中華そばには欠かせない食材です。

アニメにも登場、でもなかなか食べられない……

飛騨中華そばは、アニメを通しての認知度も高まっております。そのアニメは2016年に公開され数々の記録を作った『君の名は。』。そして、2012年からテレビ放送された『氷菓』です。

『君の名は。』は主人公の女子高校生、三葉(みつは)が飛騨の山深いとある町に住んでいるという設定で、劇中に飛騨中華そばも登場します。そして、『氷菓』は、著者の出身地である岐阜県高山市が舞台に描かれております。そのなかで、「やよいそば」をモデルとしたお店「あすかそば」も登場します。

30周年企画「あの銘店をもう一度」では、2023年2月21日からの3週間、実に27年ぶりにご出店いただきました。期間中、二代目の平野増夫さん、三代目の平野博史さんもお越しいただきました。現在、首都圏において飛騨中華そばを提供しているお店はほとんどありません。そういった点ではまだまだ知られていないのかもしれませんが、飛騨高山の町並も素晴らしいですし、ラーメンもおいしいので、いつの日か、飛騨高山へ足を運んでいただけるとうれしく思います。

■飛騨高山 やよいそば本店

[住所]岐阜県高山市七日町1-1

岐阜県高山市にある「やよいそば」
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『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』2025年2月20日発売
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おとなの週末Web編集部
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