士幌線・十勝三股駅の栄枯盛衰
士幌線の終点は十勝三股駅。北海道で、一番標高の高い所にある駅でした。昭和29(1954)年の洞爺丸(とうやまる)台風で甚大な被害を受けました。約40年掛かるといわれた倒木の運び出しを含めて林業で栄え、多い時で1200人が生活し、三股小中学校もあり、さらに一時期、十勝三股から先へ森林鉄道もありました。

徐々に士幌線に沿って道路が整備され、さらに昭和50(1975)年近くなると倒木の運び出しも相当減り、十勝三股には仕事や工場、人も減りました。昭和53(1978)年には、糠平駅と十勝三股駅間がバスに転向。そして、昭和62(1987)年に士幌線全線が廃止となりました。士幌線は当初、三国峠を越えて上川まで繋がる計画でしたが、それは、叶わぬ夢となってしまったのです。
私が蒸気機関車の撮影で糠平駅や十勝三股駅を訪れたのは昭和47(1972)年から49(1974)年で、その後は昭和53年になります。特に印象に残っているのは、雪が残る昭和48年の3月のこと。長時間にわたって、士幌線の沿線や十勝三股駅で撮影する事ができました。