旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■最近は……
正解:まくわうり
難易度:★★★☆☆
さっぱりとした甘さが夏にぴったり
まくわうりは、ウリ科キュウリ属の一年草です。重さは300~600gほどで、縦長の楕円形をしており、果皮は黄色や緑、縞模様があるものなど、さまざま。果肉は白や淡い黄緑色をしています。
近年ではスーパーなどで売られていることが少なく、若い世代の人は、まくわうりを知らないという人もいるかもしれません。
しかし、日本におけるメロンのルーツともいえる存在なのです。ヨーロッパ系の「ネットメロン」が輸入される前は、日本でメロンといえば、まくわうりのことを指していた時代もあったほどです。
奈良時代にはすでに食されていた記録もあるほど、まくわうりは日本の食文化に深く根ざしている果実なのです。
まくわうりとメロンは近縁種ではありますが、性質は異なります。ネットメロンは追熟型なのに対し、まくわうりは収穫後に熟すことがなく、日持ちしない特性があります。
6月下旬から8月中旬がまくわうりがもっとも美味しくなる時期です。気温が上昇するにつれて果実の糖度も高まり、甘さと香りが引き立っていきます。
現在でも全国各地で栽培は続けられていますが、大量生産されることは少ないので流通量は限られています。しかし、地域によっては地場品として栽培されています。
味わいの特徴は上品な甘さにあります。ネットメロンのような濃厚さはありませんが、さっぱりとした甘さで、飽きることなく食べられるのが魅力です。
冷やしてそのまま食べるのがおすすめの食べ方ですが、メロンのように、生ハムと合わせて前菜にしたり、ヨーグルトやハーブと合わせてデザートサラダにしたりと、アレンジは自由自在です。