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平和駅跡――ループ線の余韻

若菜駅と平和駅の間には急勾配を克服するためのループを描く線路が設けられ、石炭列車は前後に蒸気機関車を連結して走っていました。力を合わせて急勾配を登っていく姿は壮観でした。写真に写っている工場や住宅は、今では姿を消して公園や運動施設へと姿を変えています。カラー写真は走るバス車内からの撮影でわかりにくいですが、ループ線内辺りの現在の姿です。

夕張鉄道平和駅と若菜駅とのループ
ループの内側

昭和47(1972)年、私は貨物列車の時間を伺うために、平和駅の駅長さんに時刻に関するお便りを出しました。すると、数日後、なんと、本物の夕張鉄道のダイヤグラムを送ってくださいました。写真のダイヤグラムは今でも大切に保管していて、時々、夕張鉄道の話題があった時に見ています。駅名、時刻、そして、列車を表す一本の線を見ると今でもワクワクします。

昭和47(1972)年、夕張鉄道ダイヤグラム

平和駅側から若菜駅方面を撮影した写真が残っています。炭鉱関係の住宅や建物がたくさんあり、多くの方々が生活をしていたのがわかります。写真の真ん中あたりに夕張鉄道の9600型SLと、国鉄夕張線を走るD51が小さく写っています。

平和駅から見た若菜駅方面
平和駅から見た若菜駅方面
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錦沢駅跡――三段スイッチバックの幻影
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山口博
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